1999.6.25 宝塚大劇場
期待満々の初日。 プログラムに台本も載っていないので、ただ待つのみ…。
フラメンコギターの情熱的な音楽が流れて、その後アナウンス。
たかこさんのメリメが「ホセという男の生き方に感銘を受けて小説を書いた。さあ、君の人生を生きろ」と導入部が始まる。
セビリアの春の祭り、軍人も町の衆もジプシー達も踊る。
曲調がかわり、ジプシーの女たちとカルメンが舞台奥から踊りながら登場。言い寄ってくる男達を適当にあしらっているカルメン。
ホセに目を付けて、くわえた赤いバラを受け取らせる。
「伍長さん、突っ立ってないであたいと踊らない?」
カルメンの大胆なふるまいにどぎまぎしながらも踊るホセ。
…こんなふうに始まります。
なぜだか日比野克彦起用の…土着的なデザインの花道。
傾斜のついた本舞台のセリが回って場面が変わるようなしかけになっていて、十字架やクラブの中になったりする。
ホセがフラメンコポップス(そんなジャンルがあるんかい)、カルメンは土のにおいと鼓動を感じるような曲調。エスカミーリオはなんでか知らんがボサノバなのだった…。
◎カルメン/花總まり
私のもってたカルメンの印象より、かなり野性的で攻撃的。
初日などは狼少女という感じだった。がさつで直線的で荒々しいところばかりが勝ってしまって、魅力を感じなかったもので、相当がっかりしたのであった…。
そんなにわざわざ下品にならなくてもカルメンはカルメンの誇りがあるんだから、胸を張って傲慢にしていなければ。
フラメンコは歯を食いしばって踊ってて後半はよろけてるし顔はふんばってるしで(^_^;)、もともとダンスにめりはりのないまりちゃんには辛かろうが…まだ先は長いっすね。
◎ホセ/姿月あさと
よろこびの頂点から嫉妬の底なし沼まですごいスピードで転げ落ちていくホセ。
生真面目な青年がカルメンに身も心もおぼれてどんどん転落していって、最後にはカルメンを手にかけてしまう。
ずんこさんが、こんなに入り込んで打ち込んで演技してるのを初めてみた。 常に魂ごと揺さぶられていて、すごい表情。ほんとにカルメンにおぼれているようだ……泣ける(T_T)。
◎メリメ・ガルシア/和央ようか
メリメは、ホセを通して自分のあこがれの生き方を見ているらしい…。
どんどん溺れていくホセに「カルメンがどんな女か知っているのか!!」というメリメ…。ラストには、ホセとともに涙を流す…。 カルメンの夫のガルシア…アイパッチがよく似合ってて極悪人がどえらくカッコ良かった〜〜〜。
カルメンとの関係をもっと明瞭にしてほしかったなあ。でもカルメンの胸に置いたあの右手は…期待しよう(#^^#)。
●ザ・レビュー
まず衣装がショボイ。こんな衣装を着たのは、あのどーでもいい「レ・シェルバン」いや…それ以下なのでは? かつらもいかん!! 「シトラスの風」は、各場面コンセプトがしっかりとあって、メリハリとバリエーション豊かで見ていて楽しかったのに…
終演後、私たちは暗かった。この作品をずうっと見続けられるのか…?
2日目の報告に続く…