1999.6.26 宝塚大劇場
大劇場2日目の感想レポートです。前日の暗い気持ちを吹き飛ばしてくれるのでしょうか?
…昨日とぜんぜんちがう!!!
特にカルメン、昨日はあんなにがっかりしたけど今日はとてもいい…。
元来のまりちゃんの中にはないであろうと思われる感情を、どうやって呼び起こしたのか? まだまだこれから変わっていくんだろうけど…カルメンにぶちあたり、カルメンになろうとしていたまりちゃん。
セリフ、歌 、セットから「土」「大地の愛」などの言葉が印象的で、その言葉がカルメンに結びついてるような印象を受けます。日比野克彦氏のセットも土俗的で、音楽も、カルメンのテーマはスパニッシュというよりはドラムが入っていたりして、アフリカ的な感じがとても蠱惑的ですね〜〜。
十字架と白がホセの世界なら、赤い土と運命がカルメン。 どこからも自由なカルメンは、死んで大地に還る…ホセに撃たれたあと、ごろごろ転がって倒れるところですごくそう感じました。あの倒れかた、とても好きです。(まりちゃんの体は打ち身だらけなんだろうけど(T_T)。)
そして、脚本にあるんだからしょうがないとはいえ、ことさらに「自由」と言わなくてももともとカルメンは自由なわけだから…ホセにそれをわからせようとするんじゃなくて、ただ「宣言」してくれればいいのになぁ、と思っています。
エリザベートも「自由」に取り憑かれていた人だったけど、カルメンは、ちょっと違いますね。書き出すと長くなるからやめときます。
町の女を傷つけて逮捕され、連行される途中でホセに「逃がして…」とささやく息は、昨日とぜんぜん違う!! 「恋人は?」「国はどこ?」「なんて素敵!!」ホセを誘惑しようとして振り回すカルメン。
ロープを自分の体に巻き付けてほどいたり、腰を振ってみたり…まだまだセクシーさが足りないけれども、朴訥なホセや、初見の方などには相当刺激的な振り付けで…びっくりいたします。ここのフレーズがとっても気に入った私たち…しばらく頭から抜けないでしょう…。
カルメンを逃がした罰で営倉に入っていたホセ。 出るやいなや、カルメンの待つ店まで直行。もう体でしか考えてないホセ…。
ここからがこの「激情」のハイライトシーン。 さっきの「恋人は?」のシーンとこのシーンを見れば、お金を払った価値があるというものです。
もともとエッチでない姿月&花總だから、こういう大胆な設定がされたと予想するんだけど、ここまでずんこさんさんがのめり込むことができるとは、全く思わなかったです。 熱く荒々しくホセを引き寄せて、ホセに火をつけるカルメン。「ダル・レーク」をはるかに越えたであろう、激しいベッドシーンになってしまいました…。
どこでどう教えられたのか、まりちゃんは…なんだかとっても慣れている感じ。ずんこさんは不器用で一直線で、これまたグーです。
帰ろうとするホセを罵り、挑発するカルメン。そのめらめら燃えた目が「さあ、どうするの!!」と熱くギラギラ輝くと、ホセはもう抵抗できない…。 見てるほうもアドレナリンがバンバン出て、頭から湯気やらバネやら出て大変です。
ここで娘役ファンは、まずカルメンの強い光に圧倒されてくぎ付けになるだろうけど、ホセの顔もよく見ましょう…。本当にカルメンに翻弄されて言いなりになって背骨まで痺れているのがわかります。ホセ、本気で溺れているのではないだろうか…と思うと…胸が痛くなる。
初日はがさつな狼女だったけど、どんどんしなやかで誇り高い部分も出てきたカルメン。演出の意図がまだわからないんだけど、私が持ってるカルメンのイメージは、狼の群れの中にいても、ひときわ特別な、自分自身の女王。
がっついた熱さだけでなく、冷たい無関心や傲岸さも欲しいなぁ。自分の中にある自由をそんなに強調しなくてもいいと思う。他人に理解してもらわなくてもいいんだもん。「あたいは、こうなのさ。あんたとは違う」これでいいじゃないの。どっちにちホセにはわからんことでしょう。
誇り高さや、自分の運命の受け入れ方もこの3日でずいぶん変わったように思う。どうか得意なパターンに流れないで「自分自身の女王」を追及してもらいたいです。 こういう楽しみをくれるところがいちばん好きだぁ〜>まりちゃん
おやぢ心を満たし、そしてまた渇かすホセとカルメン…私はたいそう気に入りました。
1000days報告に続く…