2000.6/17 バウホール
セットは「猿の惑星」と言っていいのか…。 壊れた自由の女神、エンパイアステートビル、銃などが腐食金属のように崩れかかって舞台隅を埋めています。 アメリカの象徴なのか?
○歌が多い。しかもイイ。
○ラブシーンがいっぱい。しかもウマイ。
じゅりぴょん、ねったん、いい作品作ってもらったね。オリジナルがあまりに寒い最近、ここまで演者を生かしてくれるならば少しの矛盾など許しましょうぞ〜〜。
物語の流れなどは、だいたい「カルメン」と同じです。 ただ、カルメンというキャラクターのインパクトがなんであんなに強いかってのは「女が自由」だからなんだと思う。 今更、アメリカの男が自由気ままにいても、それってドラマになるのかなあ?ただ自己愛の強いわがまま男なんじゃないの?…とも思うけど、じゅりぴょんがやったら、それはそれで説得力があるような気になるから不思議。こういうキャラクターやらせたら天下一品かも。
カルメン・クレオ/樹里咲穂
歌はR&B。お声がすばらしくよく伸びております。 わさっとした髪形がいい。
ダンサーとして裸足で踊るボレロ、さすがですわ。自由自在に舞台で生きて、とても楽しそう。
こないだのディナーショーに続いて、じゅりぴょんさんファンは幸せなことだろう。
キスシーンやベッドシーンが随所にありますが…どれもめっちゃウマイです。さりげなく抱き寄せるとこなんかもとっても自然だしやさしい。髪をなでるところなんかもすばらしかった。 木村氏はここまで指導するのか? ラスベガスのホテルの部屋でおいかけっこしてるとき、ジョーシーは「きゃあ〜ケダモノケダモノ!」と言って逃げていた…ケダモノ…。その後ベッドの上で抱きあっておられますが、めっちゃ自然…自然というのもおかしいかな。
ジョーシー/遠野あすか
婦人警官だったのにカルメンを好きになってしまって転落。 設定がCrossroadとあまり変わらないのでちょともったいない。
カルメンを好きになる理由がわからないのは、そんなシーンを作ってもらっていないからだけど…。そんな新米巡査じゃなくて、キャリア組にでもしておいたほうが、悲壮感があっていいと思うのだけど…。
姿はとてもきれい!。ネグリジェ姿は素敵で、仲間内でも話題でした。 最後の見せ場、カルメンを撃つところで、ずっと舞台に背中を向けていて、自分を撃つときも背中だった…。普通回るか位置変えると思うんだけど?Crossroadのときと同じく、重要視されていないのか? 歌は、ちょっと声が細いかな、と思いました。声に感情が乗せられないのかも。 カルメンを好きな気持ちはとってもよく出てるんだけど、これも脚本不足なのか、ジョーシーの気持ちが見えてこないんですよ。すぐ発砲するわけがわからない…警官なのに…。
クラーク/夢輝のあ
しょーもない朴念仁だと予想してました。
しかし、ラスベガスにリボンタイをしていくような南部の田舎者ではあるけれど、なかなか頼りになる青年ではないか!! ジョーシーをきっちり正面から見つめて愛し、ジョーシーの母親のことも医師としてしっかり見てあげています。なかなか実直で頼りになるいい男です。
ジョーシーを思って歌いあげるその歌は、今までのねったんから比べてずいぶん成長したんでは?ずんこさんとのディナーショー、黒薔薇のデュエットを経たからか、歌の表現が格段に良くなった。
雪組からずっと見てきたねったんが行ってしまうのは寂しすぎる…。
…でもフィナーレで踊ると…時間が経つに連れてボロが出てしまうのだった…ああ…。
リーリャス・パスティアなマダムのきゃみー(毬穂)
…とてもきれいだぞ! 「今夜、あたしの部屋へ来て」とかくまっている恩を着せて誘ったのにカルメンにすげなく断られ、「見てらっしゃい」と引っ込む表情などバッチリです。 (ツェヴェッカ夫人、ちょっとお手本にするように…^_^;)
「エリザベート」の死刑囚の母など、いつも気合いの入った舞台を見せてくれるきゃみーですが、今回ヒットですね〜!
ジョーシーの妹の朝菜いるみちゃん。
スカーレットの妹のインディアみたいな子。姉のおかげで貧乏くじひかされて怒ってるタイプ。 うまくはないけど、気持ちは伝わります。 明るいし清潔感あるし笑顔もかわいいんだから、なんかもうちょっとマシな役をあげたらいいのに。せめて「うたかた」のマリーの妹くらいいいんじゃないかなあ?
ダンカイレなさお太さん。
「歌があるの!!」と聞いていたが…スポットを浴びて歌ったのは「密輸の歌」だった…。 でもカルメンの親友として、舞台をすごく締めてました。宙組にずっといてほしい…。
夜会のシガニー・ウィーバーみたいなナバちゃん。
…まあ色気はないけど…だからいいのかな。登場したときはびっくりしました…。 パジャマパーティもすごかった…。でもあれはパジャマじゃないぞ。 ミニ丈キャミソールで歌う娘役たち…あれはランパブだ〜〜〜!
ジョーシー母ちづちゃん。
不幸な役…いいわあ…歌もいい。芝居の硬質さが好きなんです。この方もずうっと宙組にいてほしい。
南部の人たちのコーラスで、天羽珠紀ちゃんのソロがあったけど、いつも以上に楽しそうで幸せそうで、心がこもったいい歌声を聞かせてもらいました。
あとから考えたら、おかしなところも多々ある作品だけど…ねったんもさお太もちづちゃんも、大劇場には出てくれません。 それも含めて…われわれにとっては見るべき作品だと言えましょう。 私はねったんの歌がとても気に入りました!