musetteの公演レポート

宙組ジャパンツアー「うたかたの恋」

2000.6/11〜7/2

「宙組の和央ようかです」というアナウンスに皆拍手! いやあ、「うたかたの恋」っすねえ。久しぶりに「宝塚でしかできないような恋物語」を見て来たような気がいたします。ラブシーンがいっぱいあって楽しい

前奏…「マリー、今週の月曜日旅に出よう」
「あなたとご一緒なら、どこへでも!」 …化けてますな、声は。
でもなんだか対等なルドルフとマリー…。

マリーは、やっぱり「若々しくみずみずしい」というには辛いものがありました。 やっぱり今のまりちゃんだったら、マリーをやるには存在が大きすぎて新鮮味もないです。そんなに痩せてるわけでもないんだけど、顔のまわりがやっぱりもう大人だもんねえ…。
でも、恋する娘のドキドキ感…ルドルフと最初に会ったときや、その後しばらく会えなかったあとに逢えたときの喜び、ルドルフを大好きな気持ち、皇妃に会ってしまったときの膝の震えとか動悸がおさまらないとか、そういう様子が伝わってくるところは引き込まれました。などがすごく伝わってきます。「おまえ」と呼ばれては泣き、指輪もらっては泣き。ちょっと何かあると涙ぽろぽろ流して喜んだり泣いたりしてます。バケツが水でいっぱいで揺らすとすぐにこぼれてしまう状態。
今までのマリーさんたちは、純粋といえばそうなんだけど、けっこう無邪気でのんびりした印象(状況がわかってないんちゃうか?)があったんだけど、まりちゃんは今回入れ込んでるようで、今までの「うたかたの恋」でのマリーとは違ったアプローチ?あけっぴろげで、なんにも考えていないような娘じゃなくて、全部わかってる普通の娘ふう。でもとても純粋で感じやすいやわらかい心を持っている。
もう若くはなくても、そういう可愛らしさを出せるところは、やっぱりすごい人だと思いますね。

できれば、マリー、もうちょっと起伏を減らしたほうがいいのでは?お手紙もらって喜ぶ様子がちょっとはじけすぎに思えるし、舞踏会の先を見た暗いお顔の差が気になる。舞踏会は「幸せそのもの」でなくちゃいけないんでしょ?そんなに泣いてちゃ、お母様のところに戻ったときにバレちゃうぞ。

そして、花總マリーは、かなりファム・ファタールだと思う…。 「うたかたの恋」って、美しいカップルの悲しい恋物語。マリーはひたすらルドルフを好きで、ルドルフはマリーのやわらかい心になぐさめられ…心中に終わるけど、キレイな恋愛劇だと今まで思ってた。だったんだけど、和央ルドルフにとっては「愛に満たされた男が2人で一緒にいられるために死を選ぶ」ように感じるのは…私の好み?ルドルフ、嬉しいのはわかるが、もうちょっと鷹揚に構えたほうが…皇太子らしいんでは、と思った。 いや、でも、ラブシーンはそれで大いに楽しいですけど(どっちやね〜〜ん!)

マリーは、若くて伸びそうな子がやるほうがいいんですよね、やっぱり。 …といいながら、歴代どれもそんな娘役じゃないの…。まりちゃんの 新公マリー、見ておきたかったなあ。

でも、とっても楽しい「うたかたの恋」でした!