2000.7/30
「デパートメント・ストア」
人数の少なさがもろに出たショーという印象を受けました。 選曲は好きだしノリも悪くないし、みんな楽しそうだけど…正塚流テーマを語るにはショーじゃない、やっぱり…。
ところで、トドちゃんって何者?そして月影さんはエレベーターガールらしいが、働いていないようだが?? あの長いコートは何??
3兄弟がそろっているのはいいけど、脇のダンサーや技術者がみ〜〜んなベルリン行っちゃった、って感じで、ダンスの層がとっても薄いです。 できればコムちゃんの妖しい表情が見たかったんだけど…マネキンが誘惑して店員が他の次元に連れていかれちゃうとか。
山科愛ちゃんの瓶底眼鏡はなかなかよろしかったです。
トドちゃんに「雪組1のチビ!」と言われて「違うもんーーーーべーー!!」とでっかい声で叫んでいた。なかなかやるじゃありませんか。もっと男の子らしいわんぱくさも出してくれたら楽しいな。
ベルリンメンバーが戻ってフルメンバーで見たいショーだけど、タータンもとうこちゃんもいないのですね…。
「凱旋門」
ちょっと習ったことがあるもので、やっぱりあのえーかげんなアコーディオンの弾き方は許せない〜〜。ビデオ1本見たらあんな風に弾かないのはわかるだろうに。 まあ、一台では演奏できない曲だからどうせ嘘?。
2基のセットがぐるぐるまわる。 旅券もなくパリにやってきて身を寄せ合う亡命者たち。パリの薄暗い横道小径を迷い迷っているような、混乱がいいです。
有名なカフェ「フーケ」があんなにショボくなければもっといいんだけど…。
シャルル・ボワイエとイングリット・バーグマンがやったそうで…映画は見てないけど、そりゃもう素敵でしょう。 それを、美男美女がウリなわけではないコンビがやるわけだから、不利なので心配してました。
しかし、よかったの、とっても!
できれば、月影ジョアンがもっとアンバランスで危うくて浅はかで、そして美しくて、ならばさらに感情移入もできたであろうに…って勝手に自分で補完して見てた気もしますけど。
●トドちゃんは、これ代表作じゃないでしょうか?憂いのある大人の男っぷりがとても自然。 どんなふうに生きてきたのか、どんな人だったのか、わかるんです。ジョアンを彼なりに戸惑いながらも愛しているのがとてもよくわかる。もっと溺れてほしい気もするけど、大人の一人前の男なんだからあれでいいです。
● ジョアン…たぶん現トップ娘役の中でならいちばん合ってると思うし、ぐんちゃんにしても、悪い出来じゃないとは思う。思うのだが…もっと危うく、狂いの手前まで行ってほしかった。あそこで撃たれなくても、絶対長生きできない人なんだから。
●タータンがすごく充実していて魅力的だった!! ロシアからの亡命者、でも旅券も仕事もある、ラヴィック氏の友人。 タータンは今まで、すごくいい役だったり好きだったりしたら、自分だけ突っ走ってしまって浮いちゃうところもあったけど、今回はそのあたりの加減をびしっと押さえて、ラヴィック氏への友情を表現してます。 最後のロシア式の挨拶に泣けた。(ほんとなら男同士でも唇でブチューだけど^^;) これで東京へ行けないのは、ルドルフ以来の損失としか言い様がない。 魅力的な役に育てただけに、ほんとにもったいない! 役替わりで、とうこちゃんがこの役をやっていて、いい感じだなと思ったんだけど、タータンのほうがずっと深かったし、本公演の方がずっと胸に響いた。これはうれしかったです。
●ユダヤ人の男の子・オットー/山科愛。
ところで何歳? 子供が続いてしまって気の毒だけど、もうちょい「今回は10歳」とか「この子は5歳」とかあるだろうから、考えるなり相談するなりして、もっとはっきり差を付けていって見せてほしいです。 芝居だけでも「男の子メイク」に徹してしまうとか。フィナーレはどこにいるのかわからない人のほうが多いだろうからきれいでなくてもいいと思うのです。 まゆ毛はもうちょっと太くしてもいいと思う。とってもきれいに描いてるんだけど。 今は子供役しか来ないと思うけど、その間に演技を磨いておいてね!2年先を期待しています、しなちゃん。
●貴咲美里 青海拓君と不倫する若い人妻。 「フルフル」は可愛いが…不倫する人妻の歌ではないと思う…>謝先生 どうもすっきりしないまま退団になってしまって残念です。 ドスの聞いた役とかも見たかった。
●立樹遥 映画俳優で、ジョアンを嫉妬のあまり撃ってしまう。ラヴィックとは対照的に若い愛を現しているのね。 そんなに入れ込めるジョアンでもないというせいもあるかもしれませんが、ジョアンを失いたくないばかりに撃ってしまうほどの嫉妬は感じられませんでした…映画俳優には見える。がんばれ〜!
● 汝鳥玲様・矢代鴻様。さすがです!
パリが自由をとりもどして物語は終わる。 平和を象徴するフィナーレナンバー、ここでもタータンの歌とダンスがすごくいいです。
そして暗い路地をさまよい、愛を求め続けた物語は、まぶしい光の中で平和の白い鳩の羽につつまれて終わる…
2階から見ていたのもあって、とても美しいフォーメーションだったし、悲しい物語だったけどすごく清々しいエンディングでした。 時間をつくってもう1回見に行こうと思います!!