musetteの公演レポート

ベルサイユのばら2001

2001/05/29

11時公演は、阪急貸切オプションの2階。
久しぶりに見た(7日ぶり^^;)ベルばらはずいぶん深くなっていた…。
アントワネット中心に書いてみます。

●お船。
アントワネットはフェルゼンにもたれきって顔がとっても近くて、2階からでは2人のお顔がほとんど影。カーテンが閉まる前、アントワネットさんはくいっとアゴを上げて、ちゅーをねだっているようです^^;。ええい、フェルゼン、襲ってしまえ〜〜!…と心の中で叫ぶヨコシマなファンがここに一人…。

●フェルゼンが国に帰ったあと、「ブルボン王朝を守っていきます」と見栄をきるアントワネット。
先週までは「なんて単純な女だ…」と思ってました。帰ったらいきなりかい…。
でも今週見たら、メルシー伯に話した後、子供たちの顔を見て考え方がどんどんかたまっていく経過が表情でわかるんです。このあたりから「今週はちがうぞ!」と期待して見ておりました。

●ヴェルサイユに押し寄せる市民の罵倒もすごい。しかし「フランスの女王なのですから」も負けていなかった。
細い体からオーラが出ており、威厳だけではない、市民も客席をも圧倒するものがありました。…すごいぞ!

●チュイルリー宮。
王妃という立場だけれど、さらに子供を愛する母親です。いろんな母親を演じてきたまりちゃん。ほんとうに子供を生んでもいないのに母親に見えるのだから、いつも不思議です。
フランソワーズにも心からの思いやりを示します。「私たち」というときの、国王を見やる目線で、今のアントワネットがつかの間ではあるけれど、真実の幸せの中にいることがわかります。
ずっと新曲のアリアが唐突だったんだけど、ここで歌う意義が、ようやくわかったように感じました。

●牢獄。
ブラシで髪を梳く様子は目がいっちゃってて、きっと何時間もそんなふうにしていたんだろうと思われます。先週までは、ただすることがないから延々と髪をとくのを繰りかえしていたように感じていたのですが、こんなに狂いかけているなんて。幕開きの表情だけで、ハッと胸をうたれました…。
ロザリーが話しかけてきても、すぐには心が戻ってこれなくて、狂いの狭間を行き来しているようすがうかがえます。
そりゃロザリー感極まるでしょう…。
メルシー伯も痛々しかった。
あんなまりちゃんは雪組エリザベート以来です。
シュテファンに話しかけようとしているとき、また狂いの淵にさまよいそうになっている。フェルゼンの声が聞こえたとき、聞こえるはずのないものを聞いて、とまどう狂ったアントワネット。
ここの振り向くときの表情にもやられました。
逢えるはずのない人、ずっと胸の中にしまっていた限りなく慕わしいフェルゼンの声。でも、自分の心がさまよい出ようとしているのをわかっているので、自分の耳も信じられないのです…。おそるおそる振り返ったときに、フェルゼンの笑顔がそこにありました。
最後に願いがかない、もう、思い残すことは何もありません。
さらに突き抜けて、幸せな笑顔で断頭台を昇っていくのでした…。
この日が私の見た中で最高のアントワネット。
そう、ほんとうにこんな芝居が観たかった…。

●ボレロ。
この日はとても色っぽかった…。とってもスリリングでドキドキしました。
「たかこさんと組んでいるときはいいけど、一人のときに表情が怖い…もっとボレロは欲情してほしいです」と感想のお手紙のなかで書いたのですが、考えてくれたのかなぁ?
応えるたかこさんもこれまた素敵。ゆけフェルゼンもいいけれど、やっぱりあの「獲物を狙う目」が一番好きだ〜〜。