musetteの公演レポート

鳳凰伝/新人公演

2002/7.30

立ち見を買っておいてほんとうによかった。宙組で立ち見で見たのは初めて。
エンカレッジとエイジ・オブ・イノセンスで宙組下級生に一層愛着がわいちゃったので、やっぱり新公は見ておかなければ…!(敬称略)

●カラフ/遼河はるひ
大きい!堂々たるもの。もっと強い、自分なりのカラフになれたらさらにいいと思います。声も素直でいいので、あとは最後まで同じペースで歌えれば。

●トゥーランドット/彩乃かなみ
まりちゃんとかなみちゃんは対極な持ち味にしても、今回も不利…。いくら自分らしく演技プランを立てても、あの衣装を着なきゃいけない、しかも立ってるだけで回りを圧倒する美しさを必要とされるのだから…。
前回「カステル・ミラージュ」に続き、階段を降りながら歌いながら登場。ここでカラフを魅了する必要があるのだが…残り2段で裾を巻き込んでしまい、やっとのことで降り立った…よかった〜〜。メイクはきつめだけど、あのかわいらしいなごみ系の顔だとちっとも怖くもない。
メイクのとおりか、トゥーランドットさんは人間らしかった。ドスの効いた声も出せるかなみちゃんだが、そーしたら品がなくなるし…
人間らしいと、あの首切りも、千年前の姫の復讐もなんだかさらに説得力がない。パンフレットで話してるように細かい感情表現してたとしても、あの衣装でこんな色彩では負けてしまう。もしくは稽古場ではできていても、あの衣装を着るにあたってとにかく大変なのかもしれない…。トゥーランドットは、あの衣装を美しく着てからの出発だと知りました。
きっと修正して、かなみちゃんなりのトゥーランドットにしてくるだろうから、できるものなら東京で見たいなあ…。

●バラク/悠未ひろ
男らしくなりましたたねえ〜。声も伸びるし押しもなかなか。あとは中身だ、中身も男になるんだ、じゃんぼ君!!
立ち回りはさすがに大きかったがもっとエネルギッシュに!
巽希和と戦ったプールはとっても狭かった。

●タマル/音乃いづみ
前から気になっていたのですが、お顔はかわいらしいのに、芝居の表情がよくないのと、歌声が割れる。いいものを持ってると思うのにもったいない。

●アデルマ/美羽あさひ
明るいしわかりやすい表現をしてくれるアデルマでした。ふーちゃんよりずっと子供なのだが、子供ゆえのわがままな感じ。そーなると、「真心うんぬん」という乳母どもは甘やかしすぎかも。ムチを振り回しても動作がキレイです。タマルが死んでしまったときの恐れと驚きで、その場で失神してしまいそうな表情がよかったと思います。

●首切り役人/珠洲春希
どこのオペラ座の怪人かというメイクで眼力飛ばしまくっているが、ちょっと小柄。もっと剣と一体化して舞えるといいかな…。
本公演の北京の民もすごい表情でアグレッシブにやってるから、このあたりの学年はやりすぎるくらいでちょうどいいのかも。次も楽しみにしています。

●ペルシャの王子/和音美桜
お芝居も好きなんでしょうね。本役のまちゃみは男の子の感じをほとんど出してないんだけど、美桜ちゃんはきっちり歌うことにプラスして「男の子の声」で歌おうとして、かなり成功しておりました。歩き方は女の子だったけど、顔の力の入れ方や立ち方は男の子を意識していたと思う。本公演でも北京の民の演壇の最上段で歌っていたり、ショーでも銀橋渡ってたりするので急な出世にびっくりしますが、文化祭で素晴らしい歌を聴かせてもらってから注目しています。

奥さんができる下級生はたくさんいるのですが、おやじができる下級生がいないのが寂しいな…。づー川さんみたいな下級生がほしい。
七生ちゃんのマームードがいちばん親父っぽかった。
賢者は、風莉じんと遥海おおら。これはすばらしいデュオです。
花影アリスちゃんが北京の市民でがんばってました。

長は、美風舞良ちゃんでした。
市民女、鈴奈さんに匹敵するインパクトでございました。
幕が上がったらもう涙の筋が両頬に。
この作品を少ない人数で演じるのは大変だったそうですが、とてもいい声でいいご挨拶をしてくれました。
東京もがんばれ〜〜!