musetteの公演レポート

傭兵ピエール/満天星大夜總会 初日 2003/2.21

「傭兵ピエール」

原作を読んだ方には「そのとおりやん」ですむのですが、読んでない人に話の流れがわかるのだろうか…????まあ、深くわかりたいとあまり思わないから、いいかな…。原作から言いますと、後半の無理な筋運びをとり(救出の往復のエピソードはまるまるカット、青髯はナシ)、すみれコードをまあまあ遵守して「多過ぎる」部分をとり、結婚式で終わります。
しかし原作では、最初から「そんなシーン」だったために、ちょびっと慎んでいたピエールの気持ちの変わりようも見えたのですが、それがなくなったら、ラ・ピュセルを思う気持ちなんて浮き出て来ないんですよねえ。…いきなり雪原とは言え、明るい舞台のどまんなかでナンバーでもなんでもなく組み敷いてしまわれても…見てるほうは慣れませんねえ。しかもピエールたかこさんたら、台詞間違って「中身だけじゃなくて中身もいただくぜ」なんて(^○^;;;;)。「服だけじゃなくて中身もいただくぜ」でしょ…?下品なたかこさん大好きよ〜^^;。
ジャンヌさんは、予想通り天然モード全開の困った女です。お茶会でときどき見られた「トチ狂ったときのまりちゃん」を、ほとんど全編見ることができます…。
無理な若作りもしておらず、目はぱっちりときれいなお化粧で元気な感じで、あの作品であんな感じなら「聖なる星の奇蹟」同様、あんな感じでよいんではないでしょうか。予想以上に原作の雰囲気を出していたと思います。衣装は男装か甲冑で、最後のウエディングドレスだけはとほのかに期待しておりましたが…なんともね…。
かなみちゃんのルイーズは、地に足のついた娼婦。地声で誘うような歌がとても素敵です。かしこく役を組み立てていくタイプのかなみちゃんなので、新公のジャンヌをどんなふうに天然ボケの世間知らずに作るのか、それも楽しみ。
話題の花影アリスちゃんは、芝居心は悪くはないみたいですが、いかんせん痩せ過ぎで、「ちゃんと食ってんのか」とピエールに聞かれるのもムリもない。山科愛ちゃんと同じ「可哀想系」かなぁ。まりちゃんも昔は表情が暗いとさんざん書かれていたものだったけど…。

脚本について…。
「○○」と「○○」を言いたくないばかりの、ヘンな置き換え言葉をかなり不快に感じました。
「生娘」(…自分で言うか?どこかのお代官様が舌なめずりして言うならともかく)という言葉に反応して突発的に笑う観客(特に愉快そうな男性客)に対して、特に不快ですね。どんな生徒さんが言ったところで、嫌です。
…客席にいながらセクハラ受けてるようなものです。
台詞としては、突拍子もないことを言わせてピエールも面食らわせ、客席のつかみもOKということで効果的なんでしょうが、映画や外の舞台じゃ気にもしませんが、あろうことか宝塚歌劇で何度もそのような台詞を聞く事になるとは、腹立たしいことです。贔屓の組だから「もう見ない」というわけにいかないところがまた無念。
そして、すみれコードに配慮して言い換えたからお楽しみに、と書く石田氏への評価は急下降しております。
宙組メンバーは、あの原作と、底の浅い脚本以上のものをくみ取って演じておられると思うし、ジャンヌ・ダルクの天然と孤独はとてもよく伝わって来ると思いますから、嫌いな台詞はもう聞かないようにしてます(苦)。

ところで皆様、原作はうっかり買わないことをおすすめします。
店頭にあるなら、始めの10ページを立ち読みしましょう。それで不快感がないんなら止めませんが…。

「満天星大夜總会」
前作「ショー・ストッパー」にくらべて、なんと場面が多くにぎやかなのだろうか?と思うほどでした。
孔雀ね。身頃が赤で、黄緑の頭でした。剣舞はまだこれからまだ動けるようになるんだろうけど、その「セーラームーン」の悪役のような衣装はいったい…(-_-;)。
HANACHANGの場面、なんかこんなのこないだ見たぞ!あややだ。
パンツスーツ着てコミカルに銀橋で歌う場面、超ミニのウエディングドレスなど、今回の花總まりさんはハッチャキキャピキャピ月間でございます。娘役としてというよりも、ショースターとしての課題に取り組んでいるような感じでしょうか。今まで見たことのなかった雰囲気のものがいろいろ見れますが…私は美しく薫っているほうが好きだなあ。
ショーの最後で、やっと普通のドレス着て(久々ノーショルダー)出てきたら、ホッとしたもの。たかこさんとじっくり組んだシーンが見たかったなあ。(…ディナーショーに来いという戦略か??)
そうそう、パンダちゃんたちは、白いふわふわパンツ+恒例・黒のシーム入りストッキングで、ほんとにパンダちゃんでした。かわいかったよー!