musetteの公演レポート

ホテル・ステラマリス/レヴュー伝説

2005.1.3 (musette)

※いつものように思いっきりネタバレです。

正塚作品、ペンギンを見に行く話の次は、ビジネスと環境問題です。 「バロンの末裔」は土地を代々守り愛するものの誇りが描かれていたけど、今回はそういうのないですねぇ。4代続いたランカスター家(英国から渡ってきたんだろうけど)も、マヤさんとまりちゃんだけで他の家族の問題もないし(ママはどうしたの??)、従業員ときたら単なる従業員で、社長が思ってるほど全員がホテルに愛着があるように思えないんですよね…。自分の給料の心配してるだけだし。
リストラやワークシェアリングとか別に宝塚でいわんでも… 。じぇんぬさん自身もわかっていないかもしれませんね(笑) 。

経営不振のホテルは宝塚歌劇の運営に重なります 。ちょっと「デパートメント・ストア」みたいです。あれは「楽しければそれが一番」みたいな感じでしたが、今度は時代もかわり、楽しむだけでは再建できず、もっと負債が大きそう。

たかこさんはBOXMANと同じようなキャラクター。もうちょっと髪は茶色い方がいいな…。 オトナですし、ステイシーに惹かれていても、顔にも態度にもなかなか出しません。今回はかなみちゃんが婚約者ということで、プロポーズの場面もあります。正塚作品にあるまじきかな!『愛している』といってキスするんですよ。でも情熱は薄めなの…。
なんでいろんなアトラクションとか思いつくのに「ワークシェアリング」が思いつかなかったんだろう…。
そもそも、ホテルがあるのはそんなに雇用の少ない地域なんだろうか?

水さんのアレンはステイシーの幼なじみでホテルの支配人なので、なんとなく将来は結婚するのかな…という雰囲気だけです。いきなりなれなれしくなるのは勤務外でステイシーと話すシーンが後半にひとつしかないだけなのですが、「聖なる星の奇蹟」と同じですねー。ステイシーがたかこさんに惹かれているのを鋭敏に感じ取って、たかこさんのことを「あいつはいいヤツだと思うよ」と、まだ決心もつかないステイシーの背中を押してやってるのですわ。もうちょっとで「俺じゃダメなのか」とか、「これは俺の名前だ」と言いそうなぐあい。ナイスガイですよね。でも、サーファーなのに今まで浜辺のギャルとかの恋人いなかったんでしょうか(笑)?あのハンカチの出し方を見るに、あんなにマメで気が利いて、しかも手が早いだろうにねぇ。
かなみちゃんも、物わかりがよすぎよねえ…。セレブだから下品に騒ぎ立てたりしないのもいいけれど、そんなかんたんにあきらめていいの??もらった指輪はどうするんだろう…。前もって返したのかなぁ…。

BOXMANのほうが過去や家族のしがらみがありましたね。
今回は家族のしがらみも希薄なので、あれでステイシーに病気の母でも祖母でもいて、ホテルか地所の所有権をいくらかもっているアレンとの結婚を強く望んでるとか、ウイリアムは来月にも結婚するとか、あればいいのに…。もしくはマヤさんパパが急死して、ステイシーの肩に全部かかってきちゃうとか。
弟を愛していながら兄と結婚するといってみたり、「ジュリオ、がんばれ」とかの方が切なくていいのになあ…。 双方の婚約者の気が利くばっかりに、 こうなってしまうのか…。
現実なら、そんなにうまいこと同時期に2人ともフリーになれないと思うのよ(汗)。

買収やら閉鎖やら開発やらコストダウンやら世界遺産やら、事件がどうにもロマンチックでなくて、身につまされない、あるいは現実的なので感動するのが難しいですが 、ステイシーはしっかりやってます。ドリーほど人生の先行きに不安はないですね。背筋をぴんと伸ばして、土地とホテルと仕事を愛しているんだけど、それが一度に全部なくなってしまうとわかった時に一瞬だけ崩れてしまうのですね。しかもウイリアムに婚約者がいると知ってショックを受けるけど、その場で顔には出さないようにつとめ、「ようこそステラマリスへ」とコンシェルジュの顔を作り、かなみちゃんに言うのです。センターから上手のお席でないと見えないかも。
しかし花總まりさん、なんと恐ろしいことに、去年より若いです…。「鳳凰伝」のとき、あんなに汚く求婚を拒絶したヒロインは見たことがないと書きましたが、未だかつて、床に寝そべって泣くヒロインなど見たことがございません。
しかも客席に背を向けて…。
お願いだからマイク袋はもっと上につけて〜!!!…と思ったら、二日目からはあまり丸まらずに横になったのでマイク袋が目立たなくなりました。
ライラは「なんか苦しい」ってしゃがんだんですが、ヴィヴィアンヌだって慟哭しながらも立って歌ってたのに、ステイシーったら泣き崩れるだけじゃなくて、めまいがしたからって言っても、地べたに寝そべって泣くんですよ。いやーびっくりした。 でもそれがちゃんとお芝居として繋がるのはさすがです。きれいに泣くんですよねえ…。

アンサンブルがまとまって、ホテルの従業員たちも一つの家族であるような空気が出せたら、味のある作品になっていくんじゃないでしょうか。

お衣装報告は、いつものようにぽりーん先生に任せます。
でも全体にシンプルだしヤクルトレディーでもないし、きらいじゃありません。燃えないけどね…。
できたら浜辺の散歩にそんなワンピースにヒールじゃなくて、シンプルなセーターかブラウスに、フラノ地のパンツにモカシンとか(細かいねえ>自分)にしてほしいなあ。

そうそう、すっしーさんの学者、めっちゃはまってます。真っ黒でリュック背負って「今から探検ですか??」みたいな格好で歩いていらしゃるのを何度もお見かけしました(笑) 。ゆっちの汚れたゴム長もナイス!

レヴュー伝説

ポスターのアール・デコなイメージはどこへやら。期待してたのになあ…。。
ちょっと?いや、妙にメルヘン。妖しさのカケラもありません。子供でもわかりやすいと思います。なんだか、「マンハッタン不夜城」みたいね…と思ってみていたら、そのお衣装も出てきました。。
薄幸の少女・ジジも不安でしたが、去年よりも若いです。恐ろしいことにコミカルな演技が可愛いです(汗) 。。
ショーのお衣装もシンプルです。久しぶりに肩出しのスリップドレス2着(しかも1着は長手スケスケ)、シンプルなマーメイドラインのフィナーレのドレスは、最近のごてごてしたものよりずっと映えて似合います。。
他にも、ショーでは初めてのスパニッシュ。。
他の全員が長ズボンなのにひとりだけダルマ(しかも長袖だ)も、ちゃんと筋肉もついた素敵な脚ですよー。「お見苦しくないように出たい」とプログラムにありましたが、それだけであんな脚になれるなんてすごいですよねえ…。しかしダルマ、ほんとに久しぶり。ザ・レビュー'99以来ですか?…でも靴は白じゃなくて、もっとエッチくさい、金とか銀とかギラギラでTストラップとかのを履いてほしいですねえ〜(細かいねえ>自分)。。
うーん、しかし、どこがレヴュー伝説だったんだろう?
アンファンの咲花杏ちゃんがあまりにらぶりーで、目が離せません♪
振付け陣もいいのですが、動きが多いもののデュエットダンスなどに美しいキメポーズとか、2階から見て美しいアンサンブルもまだ見あたらなく、まだちょっと物足りない気がしますね…。。
シンプルな黒エンビのたかこさんも久しぶり。。
水さんのダンスも好きだけど、黒エンビの袖から出るシャツの絶妙な配分が大好きな私(笑)。
タニは、もう「ボクちゃん」じゃありません。すっかり一人前になりました。素晴らしいバウ公演が成長させたのね。しかも白い軍服も紫のスパニッシュも、なに着てもとてもきれいですしねえ〜。まりちゃんをエスコートしても今までとはちょっと違いますよ(喜)。

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