景子先生らしく、現在と過去を織り交ぜながらの構成。
変なフランス語が出てこなかったのはいいけど、「ただいま」とか「ごはんよ」とか言わないでください…。ちゃぶ台思い浮かべちゃうから…。
身分違いの恋なんですが。
オサは貧しい村出身の父なし子。父はどうやら貴族らしい。
教育も満足に受けないで軍に入ったけど、がんばって中佐にもなれた。平民で???
それで、上官のまとぶんとなぜか公爵家を訪問して、お歴々や令嬢たちに会うんだけど、いくら戦争で手柄をたてたとはいえ、そんな出自で、「人間はみんな平等なんだ。そんな世の中にしてみせる」とか言ってる人が、なんでそんな場所でそうもリラックスしてて、ずーずーしくそこの長女を誘い出すのか、さっぱりわからんです。
マドロスのカールやジュリアン・ソレルみたいに、場違いなとこにいる劣等感と自意識過剰でわけわからなくなったりするのがふつうじゃないのじゃないですか??
そんで、そんなやつに会いにわざわざ祭りに一人ででかける跡取り娘。
なんとまあ思いきったことを…。どうやって1人で出てこれたの??
平民だと先にわかってるしそれほどリベラルなふーちゃんでもない。
出身の村の若者たちは将校に「おまえが必要だ」と言われるのに(村人、学がありすぎ)、理想のためには軍にいる必要があるといって断るオサ。
ひどいじゃないか!!ここでしがらみを切ってどうする??ここで板挟みになって悩んで、しがらみに縛られていきながら恋人のことも忘れられない、歌の一つも歌う、それが宝塚のオトコじゃなかったのーーー???
さて、後日の夜。令嬢の寝室に忍んできた平民出身将校は、まず真っ先に長いマントを脱いで、それをよっこらしょっと窓際の椅子にかける…。なんでよ!それはいかんやろ!何が何でも一番先に抱きしめるべきやろ!
…掛け方が格好良かったら許すが、長いマントを一連の動作で脱げないなら先に脱ぐんじゃないっっ!!脱いでるあいだ、女は間を持て余してるやろ!見てるほうも困るやろ!
…ほんまにもう、最近の宝塚の男はとことんイケてませんわ…。
で、しばらく話し合ったら、マントをまた着始める平民出身の将校。
「え?帰るの?ふつうに?誰かに見つかってえらいことになるとかいう展開なんじゃないの?」
と思ったら、令嬢はベッドの端に腰掛けて、なんと、目でお誘いをするんです(@@;;;)!!
これはダメです!未婚のオトメですよ!!人妻ならともかく、これはダメです!
由緒正しいおうちであるほど、結婚が決まるまでそーゆー教えはされておりませんのでは????スカーレットだって、フランクとの結婚が決まってから、「子どもをもつ喜びのまえには、殿方の『あれ』を我慢しなければならない」というようなことを、エレンに教えられたんですよ!
まーその暗転後、同じベッドで目覚めるのは、1940年代の同じ場所での、ユミコの恋人としてお城にきてる、あすかっていう演出なわけなんですが。
当然結婚が許されるはずもない二人。
ところが、某公爵の落し子であることがひょんなことからわかりまして。
正式に認知され、公爵の家に迎えられました。
ふーちゃんのパパは、オサが「優秀な若者だが、貴族ではない」という理由だけで反対していたので、これで万歳です。
間には、ふーちゃんの妹の彩音ちゃんが、オサ出身地の村のグループに誘拐されたエピソードなんかもありました。
しかし要は認知→結婚承諾の話です。
ええんかそれで?人間の平等のこととか言ってたのに。しがらみをサックリ切った村の仲間は、あんたが無防備にノコノコ村までいったばかりにあとをつけられたせい(そんなことしなくてもわかるだろうに、「あとをつけたのか、卑怯な!」っていうんですよねえ…つけられた自分がどんくさいんじゃないのよ)でみんな殺されたけど、それはもうさっぱり忘れて、それでいいの???
…「炎にくちづけを」でも思ったけど、最近の宝塚、もっともっと若い人がやらないと、感情移入するのは難しいです…。
上記二人の孫という設定の、ユミコちゃんとあすかちゃんの強い愛は涙を誘いました。ほんとに最近のあすかちゃんはいいお仕事をしてくれます。
でも早々に「孫である」という設定がわかってしまったので、あ、そう、身分違いの二人はうまいこと結婚できるんやん…ということで見るので、つまらないわ…。
結局、何が落陽なんだろう…。
落しだねと名門長女が結婚することがテーマ????
これだけボヤキましたが、見る意義はあります(^_^;)。
どうぞ一度はご覧くださいませ。