※いつものように思いっきりネタバレです。これから見ようという方は読まないことをオススメします。
アンドリュー・ロイド=ウエーバー自身のプロデュースです。
サラ・ブライトマントと離婚して映画化が延期されてから10年たって再企画されてつくられたとか。
http://www.opera-movie.jp/
50年後のオペラ座、ラウルとマダム・ジリー(ポッポさんね)が、あのシャンデリアがオークションにかけられ、ベールがはがされると一気に1870年代の豪華絢爛なオペラ座にかわるSFX。
まー、豪華なんですけどねぇ…
ところで、当時のオペラ座まえは馬車寄せになっていて、向かいが大通りじゃない!!
はすむかいには「カフェ・ド・オペラ」て名前のカフェがあるくらいだから、真向かいにビストロがあっても不思議じゃない!!と思って一生懸命みたけど、いつもアングルはそのカフェの方向のみで、真向かいには何があるのかわからなかった…。
「初めてファントムがオペラ座の地下に住むようなったいきさつが語られる!」というんで、ほほーと思ってましたが、ジプシーのところから逃げ出した11歳くらいのエリック(名前は呼ばれない)を、まだ子供だったマダム・ジリーが地下にほりこんだだけやん…。寄宿生の分際でどないしてんその後…。
そんで「彼はマジックも建築も音楽も天才よ」ってアンタ…ずた袋かぶって地下に隠れてるだけじゃ、ああはならんでしょ。
ALW版にはトルコ人が出てこないので、マダム・ジリーにその役割をくっつけた感じですが、そんな無茶な(笑)。謎は謎のままのほうが、妙に気にならなくていいのよっ。
ALW「オペラ座の怪人」は、楽曲の美しさと豪華なシャンデリアなどの仕掛けが豪華でがいいのだけど、じつはそれしか印象にないもんで、そのままやってもやっぱり印象は同じです。
映画の手法そのままでミュージカルにされても、やっぱりちょっと冷めます。舟にさおさしながら歌われると、舞台なら違和感はないのだけど、現実のセットの中でうたわれるとちょっと変です。
100人編成だというオケも、アレンジがあんまり変わってないみたいだし、そんなにすごいと思わなかったのでした。
ファントムは、黒髪にするどい目がなかなか素敵。
ちょっとアントニオ・バンデラスとトラボルタが入っておったけど(^_^;)。もうちょっとおっさんでもいいなーと思っていたが、仮面をとられてズタボロの終盤になると、どういうわけだかくたびれたニック・ノルティになってしまうのだった…。もしかして、若作りしてたの??
上記がわからない人は、銭形平次さんと大川橋蔵さん以上に違うと思ってください(^_^;)。
…もしかしてファントム、羽二重だった???
マントさばきもカッコ良く、声も甘いし演技もよろしかったです。カルロッタにも手は下さないし。
これで指がすらっと長かったらなー…。美しい指でピアノを弾き、その指でクリスティーヌに触れると素敵だったろうなあ…。シャープなアクションに似合わず、ぽてっとした指が残念。
ラウルは、もうちょっと若くてスイートなほうがよかった…。マスカレードで着ていた紺色の軍服(よく宝塚で着てる右肩のマントを抜いた着方)はすてきに似合ってましたが(^^)、ラウルの実年齢はクリスティーヌより少し上、18歳だか19歳くらいのはずなので、ファントムにはまだ全然かなわない若さがほしいわ。
ラウルが「あれは、クリスティーヌ。ブラーヴァ!!」と歌うところで、エンカレッジのづーかわさんが私の脳内に登場しました。懐かし〜!!
クリスティーヌ。
悪くはないです。声は好き。
http://php.warnerbros.com/movies/phantomoftheopera/photos.php
ちょっと口が大きくてジュリア・ロバーツみたいで、顔が好きではないんだけど…
かなりいいほうだと思うんですよ。でもたぶん、よっぽどじゃないと、誰がやってもクリスティーヌのことは私は好きになれなし感情移入できないみたいです。
このバージョンは仮面を自分でとって腰を抜かすのでそこはもっともなんですが、ファントムとラウルの間で揺れ動く心情は理解できても、おそろしく世間知らずだったのに、急に別人みたいになるその後の行動がどうにもわかりません。
ガストン・ルルーを読めば、ファントムの声がクリスティーヌを官能的に魅了する力があると書いてあるけど、ミュージカルじゃあ、クリスティーヌの体におこる反応などわかりようもありません。「Music of the night」は素敵な曲だけど、あは〜んとなる曲や声じゃないですから(笑)。
鏡の向こうからのレッスンで「あなたは音楽の天使?」「そうだ、わたしだ」とかって幼いクリスティーヌに言ったんだろうけど、それってファントム、「オレオレ詐欺」…??
「ALWまだ見たことない!」という人、「他バージョンも見ておかないと!」などなど、気になる方は見てきてください。
映画館まで足を運んでも悪くはないと思いますが、1800円だと高いなあ…。
ミュージカルに慣れたこの体。舟にファントムとクリスティーヌが乗るのを見ると、「もうすぐ休憩ね」なんて思ってしまいますが…もちろんインターミッションはありません(笑)。