ぽりーん先生の観劇レポート vol.14

鳳凰伝・博多座公演

[03/08/03]

バウまで行って、博多に行かぬ手はないと貪欲な私は当然、翌日、博多におりました(^^;)。
初めての博多座だったのですが、椅子が深くて見づらかった…。
売店はとても楽しくて、16時半には売り切れになっていたわらび餅が食べれなかったのが残念でございました。
帰りは初めてのスカイマークだったのですが、その搭乗券に軽いめまいを覚えました(^^;)。

博多座のお目当ては他でもありません。アデルマです。この作品の女たちの中で、一番複雑で、だからこそ一番お気に入りなのが、アデルマ。だからってわけじゃあないのですが、ふーちゃんのアデルマにはずっと疑問符だったのです。花總さんとは違う方法で(だと思っている)いつも適格に役を掴むかなみちゃん。今回もすばらしいアデルマを見せてくれました。深窓の公主様が心の闇に堕ちる過程というのはこういうことか……と、納得させてくれるお芝居を見せてくれました。
多少演出が変わっているのですが、その分表現しやすくなったのかもしれません。謎解きのシーンのアデルマの心の動きがただ座っているだけだった本公演当時から、最後はトゥーランドットと交差するような形で床に崩れ落ちるという図。これはずいぶん解りやすい絵になっているんじゃないでしょうか。気に入らないのは北京市街とラストシーンの泣き叫んで袖にはけるという演出。これは演出家の指示だろうから、仕方ないのかしらね。
北京の柳の歌で、故郷の海、風、香りがアデルマの脳裏にしっかり甦って、それを客席にもきちんと伝えてくれる、表現力。すばらしい(^^)。博多くんだりまで観に行った甲斐があったというもの。初日明けすぐに観て、最後にも行く予定ですから、今よりもっと深くなっているんだろうな、と楽しみでございます。
ああ…でも、鞭はそんなに打ちつけたらタマルが死んでしまいます(^^;)。

さて、トゥーランドット。12時はちょっと弱い、ただのファザコン公主だったのですが、16時半はずいぶんと怖さが帰ってきておりました。
でも私は気に入らない。どうしてトゥーランドットに更なる言い訳をさせなければならないのでしょう?最後の「行ってしまった…」から十分言い訳しているし、それまでの過程で十分過ぎるほどファザコンだと印象付ける芝居をしているのに、この上さらに歌詞まで変えてしまったのです(--;)。私はあのつぶやくような歌い方と歌詞は大好きだったのです。さあ、これから泣かせてもらおうか、と構えて頭の中で歌詞を追い出したらトゥーランドットの口から出た単語は「幼い頃に」。そこから言い訳ソングが始まった(--;)。
しかも歌詞のつじつまが微妙に合わない(^^;)。出かけた涙はすぐさまひっこみました。
何もかも説明するんなら、芝居じゃなくてもいいわけですよ。書き込みが全然ないのは困るけど、行間を埋めてくれる役者さんそれぞれの演じ方が演劇の楽しみなのに、それを全部説明しちゃったら、しらけるだけじゃないですか。それともこれは説明が好きな某巨匠の差し金か??

大和くんのバラクはやっぱり若いなぁって感じが否めませんでした。殺陣も弱かった。すっしーさんとちかちゃんの殺陣はすごく息があっててすばらしかったので、残念でした。まあ、これは公演回数を重ねることである程度は解決してくれると思うけど。色気とか艶という、年齢(だけじゃないけどね)がものをいう部分が辛いかしら。大和くんには全体的に色気が足りなくて……ね(^^;)。華やかさはすばらしかった。

ショーストッパーの役替りはちかちゃんのところは大和くんってことで、特に不思議もありませんが、ふーちゃんのところとか、退団者の部分がなかなか楽しかったのです。
パラダイスの赤いドレスの女。芽映はるかちゃんだったのですが、明るく元気にたかこさんを振り回している様もなかなか堂に入ったもの。最後の表情もいいじゃない(^^)。この人のダンスは観てて気持ちいいので大好きなんですけど、あのドレスでもそんなに軽々と踊れるんだね(^^;)。
かなみちゃんのベネツィア。まやまやと同じ衣装だったらどうしよう(^^;)…かなみちゃんが裸足だとちょっといただけない…(^^;)と、どきどきしながらセリ上がりを待ちました(^^;)。よかった、衣装も違うし、裸足じゃないし。鬘もきれいだし。
そしてこれが白眉!ファムファタール・ピンクをエスコートする紳士が最高!!初回はたかこさんはおろか花總さんすら見る余裕がないほど素敵だった〜〜萬ケイさんすばらしい〜〜〜(#^^#)。
この紳士とアデルマを観に何回か通ってもいいと思いました。ええ、劇場が近ければ(^^;)。