ぽりーん先生の観劇レポート vol.18

白昼の稲妻DVD

[04/02/02]

『白昼の稲妻』のDVDを買いました。
仕事も忙しく、観劇にも忙しいファンにとっては本当に便利ですよね、DVD。
そうです。DVDですから、見たいところだけ取りあえずチェックするなんてことがじつにお手軽にできるんですよね。ビデオだとシーン出しもこう簡単にはいきませんのでDVD歓迎でございます。ですから全編見るのはもう少し先になりそうです(^^;)。
最初に見たのはもちろん、劇中劇。まあ、このシーンの為にあんなに通ったと言っても過言ではありませんし、色んな角度から見て、その演出の巧みさに感動したわけですので、それをどう映像作品として『完成』させ、『1万円』もの価格(相変わらずぼったくりだぞ>TCA)を付け市販したのか?それは興味のあるところです。

で、結論。劇中劇に関しては生の舞台以上のものは絶対に作れないだろうということ。
当初、誰を見ていいやら解らないくらい、それぞれの登場人物の動きに意味があって、それが、とても巧みに舞台上に配置されていて、舞台の醍醐味を堪能できたこのシーン。それを映像作品として、価格に見合ったものを提供しようとするのなら、それはもう、上・下・センターからのロングショット(白とびしちゃいや〜よ〜〜)とオセロー、デズデモーナ、イアーゴー、ランブルーズと各個人に合わせた映像を提供しなければ相応の価値はないと思います。それにそういう手法を取れるのがDVDのよいところでもあるのだし。実際『ベルばら2001』はフェルゼン中心、アントワネット中心という映像パターンがあったし、しかもあれは役替りも網羅してありました。…ちょっと感心できない映像ではあったけれど。見れなかったファン、もっと見たかったファンの両者にもとても貴重なDVDではあったと思います。
あの劇中劇で個人のアップ映像の多用や、角度をしょっちゅう取り替えた編集などされても、何がなんだかわからんぞー!!という感じになってしまうのは無理もないでしょう。
色んな席に座れた大劇で、どこにいてもオペラグラス越し(^^;)で、でも、角度が変わると見えてくる新鮮な絵に当時どれだけ感動したか!!「ああ、舞台演出というものはこういうもので、だから舞台は楽しいんだ」と、この劇中劇ほど思い知ったことはありませんでしたから。

どうせビデオよりも販売時期を遅らすのであれば、90周年記念イベント第一弾、ランブルーズ役替り映像だって欲しいじゃないですか。ランブルーズが無理ならせめてショーだけでも(…最後におまけ映像で付いていたらごめんなさ〜〜い)。そうです。誰だってCSが見れるわけじゃないんですから(^^;)。
確かにおかげさまで見たことのない世界も見れました。でも、あっちでもこっちでもそれぞれに意味のある動きを演出しているのだから、それをブツブツとぶち切ってしまってはあの作品は生で観た以上に「難しくて解らないわねー」というものになってしまうのではないでしょうか?それはあの劇中劇のファン(作品のファンではないのか?>ぢぶん)として、とても残念です。
ええ、劇中劇のランブルーズ侯爵に関してだけ言えば、スモークと共にセリ上がりの登場シーンは上手2階からの映像。「息の根を止めたー」はアップ。銀橋から本舞台へ移るところはセンターを移してありますのでなし。上手で一瞬座り立ち上がりほこりを払う(^^;)一連の身のこなしの美しさが大変好きだったのですが、ここは立ち上がるところから。ドリブル(^^;)はなく、ランニングは辛うじて映ります。センターでの立て膝もこれまた立ち上がるところのみ。ベラとの官能のダンスは一応ありますが、時々画面の隅でうごめいているだけだったりしますし(^^;)、首筋キッスは上手からのロング映像だったように思います(;_;)。
ついでに言えば失脚するところはアップで、花道まで追いますが、袖に入る一瞬、客席方向を一瞥するかのように不敵に微笑むランブルーズ侯爵までは追わず、すっかり映像は主役達に切り替わっておりました(^^;)。

…まあ、舞台全体を見た目の印象どおりに再現しろ!というのは土台無理な話しです。でもその演出の特性を最大限引き出すような映像の作り方というのだってあるんじゃないかと思うのですよ、消費者の勝手な意見ですけどね。
あくまで舞台が商品である宝塚。それを映像として市販し集客人員以上の多数に提供するなら、それ相応のものであるべきでしょう。ファンを演出家にしろとは言いませんが(^^;)、映像演出も舞台演出家に首つっこませろ!!と思うのはファンの身勝手でしょうか〜〜やはり(^^;)。
…要するにランブルーズ侯爵だけをチェックしたんですが(^^;)、劇中劇についてはランブルーズ侯爵だけに関わらず、映像演出は全体的に不満でした(「ええ、あなた」はこの人のアップしかないでしょうから、文句はありませんが^^;)。まあ、もともと劇中劇に関しては映像向きの演出ではないってことでしょうけどね。
他のチェックしたシーンもランブルーズ中心なんですが(^^;)、劇中劇ほど「いただけないわねー(--;)」というものではありませんでした。あーでもカフェのシーンはまだチェックしてないんですよねぇ…ここもオペラが離せないファンにとっては、お席が左右する見事な視覚効果があって面白いシーンなんですけどねぇ。なんたってここにはランブルーズ侯爵は名前しか出てきませんから(^^;)。プロローグはここでセンター映像だったら首絞めてやる!!と思っていたシーンを珍しく私の思惑通り(^^;)、1階上手からアルベールとランブルーズをきちんとツーショットで収めてくれていましたけど(#^^#)。
市販ビデオとDVDと違うものにしたっていいと思うんですよ。それぞれの特性を生かした映像をそれぞれで提供してくれれば。たとえその為にDVDが2枚組になっていようと買うわよ、きっと(^^;)。そうよ、劇団に振り回されていると自覚してたってなすがままになっている(^^;)おばかさんな宝塚ファンですからきっと映像商品はあればあるだけ買うぞー。
もってない機材はそのために購入することなど厭わないファンですから、日本経済上昇にも貢献できるし(^^;)、そして、なんたって儲かるぞー>TCA