ぽりーん先生の観劇レポート vol.24

エリザベート(月組)

[05/2/21]

上演が発表された時は、東京では何がなんでも観なくちゃ!と思っただけだったのですが、エリザベート役が発表された時点でそれは『大劇のうちにそれも早いうちに1回観る!!』に変わっておりました(^_^;)。別にアサコちゃんの特別なファンというわけではなく、興味本位(ファンの方、すみません)。だって、スカーレットとかと違って、これは娘役のためにある役だと思っていましたので、それを男役がやるというなら、娘役ファンとしては観てやろうぢゃない!と思うじゃないですか、娘役ファンに劇団が喧嘩を売ったわけですから(^_^;)。
主要キャストの登場のタイミングも、各種ナンバーの振りも歌詞もほぼ上演できる(^_^;)くらい覚えておりますので、客席に入っておっきなハプスブルグの紋章を見ただけで勝手に脳みそが動き出します。…懐かしい…。
一応、これまで上演された全バージョンを観ております。雪組・宙組は数知れず(^_^;)、星組3回、花組1回(いずれも東京のみ)。新公は宙と花だけ。星組も観たかったんですが、チケット取りに破れ(^_^;)、あわよくばサバキで…と思ったのですが、そんなの無理に決まっていますので、その無念さの仇討ちって感じですかね、今回は(^_^;)。

お衣装に関してはエリザベートはシンプルが一番だと思うのと、たぶん贔屓目なんでしょうが、花總さんのものが一番好きですね。それも雪組セットの方がより好きです。でも、「ママの帰り〜」のドレスだけは宙バージョンの方が好きです。
衣装についての私の持論はその衣装をまとう生徒さんを最高に美しく見せてくれなければならないと考えますので、今回も文句は山ほどあります。
なぜ、くすんだ色を使うのか?どうして子供に薄紫のドレスなんか着せるのか?
ポッセンホーフェンでの少女時代の衣装がよくないんですよー。ピンクならピンクでいいから、もっと顔色に映えるピンクを使うとかあると思うんですよ。綱渡り〜冥界のシーンのドレスのびかびかした(^_^;)グリーンもちょっといただけない。ハイネックでチロリアンテープとかがあしらってあってかわいいといえば可愛いんですけどね…これまでとイメージの違ったドレスなんですけどねぇ…。びかびか感がイヤなのかも…。
で、バートイシュルは薄紫の花模様の入ったドレスにレースを被せたものなんです。姉がピンクで妹が薄紫……???別にいつものちょっとうざったい暑苦しいブルーのドレスでいいと思うのに…。
「子育ては義務じゃなった」時のネグリジェもなんか汚い(^_^;)色だったなぁ…(+_+)。デザインは宙でも使ったあやちゃんの有モノっぽいんだけど、でももっとピンクっぽかったと思うんですが…???花組は確か遠い席から観ているので、いまいちお衣装の記憶がないので、比較できないんですけどね。
ウエディングドレスが変わっていましたね。ケンゾーデザインのあのレースをふんだんに使った贅沢なドレスではありませんでした。一瞬の場面なのでいまいち自信がないのですけどね…まさか新調…ぢゃないですよね(^_^;)???よく使うサテンのような光沢のあるレース生地ですので、「どこかでお会いした気もする」ドレスです(^_^;)。トゥールベル夫人の白のドレスかとも思ったのですが、全然違いました(^_^;)。
鏡の間のドレスはこれまでの中で1番ヴィンターハルター作の肖像画で着ているドレスと模様のつけ方が似ている気がします。デコルテあたりのデザインがちょっと安っぽいのがイヤなんですが(+_+)。今回はアサコちゃんの肩を意識したのか(^_^;)、デコルテ辺りのチュール使いが多いですね(^^;;;;

2部のドレスデザインは基本的にいつも変わりません。花組で赤いドレスで病院訪問してその非常識ぶりがとってもイヤだったんですよね、そういえば。今回は身頃こそ赤地レース模様でしたが、ボトムは黒でしたね。「ママの帰り」ももう少し装飾が少なければ結構好きです。昇天のドレスはトートとペアになっていませんでした(^_^;)。ま、宙東京もペアになってなかったし、花組は覚えていないので、そのあたりはどうでもいいのですが、問題はデザインでしょうか。あの早替りでは無理かもしれないけど、いやいや、超早替りと分かっているのに、あんなデザインにしたのがいけない、でもね、出来上がっちゃったものは仕方ないので、二の腕隠し(^_^;)チュールはきれいに整えてからライトを当ててあげてくださいね。がんばれお手伝い部隊!!
…今回も当然ながらデュエットがあるんです…。しかも完璧なコンビ用のデュエット…。ですからリフトがあるんですよ(^_^;)。リフトって慣れも大切なことだといいますね。乗る方も、抱える方も。タイミングなんですよね。乗りなれてない、もともと男役のアサコちゃんをさえちゃんがリフトするというのもものすごい冒険ではないでしょうか?元来ダンサーではないさえちゃんですががんばって回してます(^_^;)。で、この時ドレスも1部分を除けばすっきりしてて割といいんですよ。でも、サンドベージュといっていいのかな?そんな色のドレスに唐突に薄紫のレースが貼り付けてあるのがすごく嫌い…。

アサコちゃんのエリザベートはまだまだ発展途上という感じを否めませんでした。まずは女に見えることと、歌が課題だったのでしょうが、他の歌はまあいいとして…「私だけに」と「夜のボート」の歌い方がどうにも気になって仕方なかったですねぇ(+_+)。歌うことに気をとられて、気持ちもいまいち入りきれてない感じだったし…。
お芝居はもっと入り込めばよくなる可能性はあると思いますけど、病院のシーンの絶対的で圧倒的な孤独感というのが伝わって来ないのはちょっと…。あそこで、エリザベートの孤独感(自分が勝手に他社を疎外しているだけだけど)が伝わって来なくてはあのシーンの意味がなくなってしまうんですよ…(+_+)。ヴィンディッシュ嬢との演出もあまり好きではないなぁ…。

娘役ファンとしては今回のエリザベートの見所はマデレーネでしょう(#^.^#)。バスタブに入っている時から最後までなんていい目をするんでしょう!こういう無機質な美人さんにあんな目で誘惑されたらどんなにシシィのことを愛していてもそりゃあ揺らいじゃいますよね>皇帝陛下
このシーンの娼婦さんたちのお衣装が前回の花組から変わっているんですが、ちょっと色使いが野暮ったくって(+_+)。…それはそれで、場末の娼婦さんらしくていいのかも知れませんが、前の方が断然よかったなぁ…上品ないやらしさがあって(^_^;)。宝塚ですからね、むやみやたらと下品にする必要はないと思うんですよ。…でもね…あの衣装の場合、せめてタイツは大腿までしっかり上げて、大腿は最高でも15cmしか見えないようなはき方をしてね!あの衣装が歴代で一番似合ったのは優花えりちゃんを置いて他にいないですねぇ(^^;;;;あの衣装はきっと花總さんが着たってまりちゃんには勝てないと思うわ!!

衣装のすばらしさもさることながら、男なのか女なのか判然としない、かといって両性具有という感じでもない、この世のものとは思えない妖しい美しさという外見の点ではさえちゃんのトートは他の追随を許さないものがありますね。…他の点ではいろいろご指摘もあるかと思いますが(^_^;)、この点にかけては最高のトートです。サヨナラにふさわしい作品になっていると思いますし、ファンの皆さんも通い甲斐があるってもんでしょう。
でも…最初から飛ばしすぎて、途中で休憩…っていうのだけはやめてね(^^;;;;
そんなわけで、トップさんのサヨナラ公演で、アサコちゃんの娘役ってこともあり、しかもそれが『エリザベート』ってことで、東京はチケット入手困難必至でしょうし、大劇はまだ続くようですから、お時間と懐具合に余裕のある方は大劇に行くのも手かと思われます。

…花總さんのお衣装報告でもないのに、長いな…。最長記録かしらん……(^^;;;;