[05.8.12]
小さいところには色々と文句もありますが、私的にはどこかの公演評のように別にこれが失敗作だとは全然思いません。暗いし重いから軽い気持ちで何回も見たいものではないけど、退屈はしなかったですね。コロスの何が悪い!役付きだけが全てじゃない。宙組のアンサンブル、なんと言ってもコーラスの力はどこにも負けないと思っているわ!
もちろん、大半の人は宝塚に対してきらびやかな夢の世界を期待するのでしょうから、そう言う意味でなら期待を裏切るわけですし、失敗なのかも知れませんけどね。…でも私的に失敗というなら、キャリアのある人たちに20歳(ヒロインは10代?)の役をふったことだと思うけど。だって、『ロミオとジュリエット』や『ウエストサイド物語』とかだったら、可能な限り俳優も役の年に合わせてくれた方が私は好きだし、宝塚は同年齢は無理でも、役とキャストの年齢を近づけることができる劇団なんだから…。
と言いましても、そこはキャリア充分なトップコンビ。技術と内因表現に文句はありません。美しさも充分です。でも舞台に近かったり、逆に上から見下ろしたりすると、お疲れとかお顔に出てますからね。こればっかりはどうしようもない(T_T)。1階席遠目な感じで観るのがいいですね(^^;)。
演出自体はすでにこういった木村作品を見ているわけですから、珍しいものではありません。いばらのセットと照明の効果が大変美しいです(^^)。
主要人物の中で一番先に登場するのが花總さん。暗転の中、下手袖からセンターにスタンバイ。上手奥には東屋。15世紀のスペインが舞台ということですから、袖デザイン(鳥かご袖と呼びたい^^;)は中世風な白と黄色(黄緑?)のコンビのドレスです。袖は二段ちょうちんでして、肩に鳥かご袖(^^;)。その下はこういう場合の定石、白い提灯袖です。ウエストラインにはゴールドの大ぶりの石が付いたチェーンベルト(?)が飾ってあります。
背中にはレースのマント(^^;)付き。髪飾りはドレスと共布のリボンです。このシーンでは軽くアップにした部分をドレスと共布のリボンで飾り、右肩にひと束三つ編みを垂らしてあります。
このドレスのスカートと、袖の一部、カフス部分の生地の色が、上にも書きましたが、もひとつ判然としません。CSで見ると黄色に映っていますが、舞台の照明の下で見ると黄緑っぽく見えるんですよね。
…でも…いくらルーナ伯爵が吟遊詩人に姿を似せたとしても、身長だけで全然違う人なんだけどなぁ…(^^;)。恋は盲目とはよく言ったものだわ……。
修道院に入れられているわけですから、ほぼ(^^;)喪服です。ハイネックの長袖ドレス、首でデコルテ部分の白レースを黒いリボンでまとめてあるような感じ。…残念ながら(^^;)修道院だからお肌が見えてはいけません……。
身頃からスカート部分にかけての生地は縦畝の地模様。縦畝というのは珍しいですね。裾には白いレースリボンが2本。
身頃に黒いアップリケ模様、カフスと髪飾りは黒地に白いアップリケ模様です。
髪は2場同様な感じで軽くアップにして、(当然)黒いリボンでアップの周囲を飾ってあります。…一番好きな衣装かな(^^;)。
燕尾も着たことがある(ラガールカードCF)。軍服も着た(言うまでもなく『望郷』とTCA)。今さら私達の度肝を抜かせるような衣装などもはやあるまいと思っていたら、こんな衣装があったのか…(^^;)!
…ということで、毛布です(^^;;;;
この毛布がどこにしまってあったのか、そして、さっきまで着ていたであろう、『ほぼ喪服』はどこへ脱いだのか(探した友人もいます^^;)?疑問は尽きませんが、それ以上に私の頭から出て行かないのはどうして男はしっかり着込んでブーツまではいているのに、女はこんなみだら(^^;)な姿なのか?ということ。そこまで身支度を整える暇があるなら、女にも何か着せてあげなよ。しかもその姿でジプシーたちに預けられる女の身にもなってよ>マンリーコ
2年ほど前の誰かさんのバウ(^^;)で男の風上にも置けん所業を平然とやってのけた主人公がいましたが、この主人公も男の風上になんて置いておけませんし、こんな自分勝手な男は許せません。私がレオノーラの母親だったら、何を言おうと、どう騒がれようとお付き合いなど金輪際させません(^◇^;)。
下手花道から家臣たちにもみくちゃにされながらマンリーコの命乞いに来るシーン。照明は暗いわ、人ごみだわ、やっとひとりになったかと思うと、すぐにしゃがみ込むわってことで、いまいちデザインが分りづらい衣装ですね。
おそらく、胸開きの大きな黒いブラウスドレスの上にレースの襟付きベストを合わせた衣装なんじゃないかな?と思います。裾も短いものですし、ジプシーに預けられた時点でこのヒロインは裸(^^;)ですので、ジプシーの誰かの衣装を貸していただいたのでしょうね。ネックレスもしてますから、お借りしたのでしょうか?…普通着るものはしょうがないから借りるとしても、なきゃあ死ぬってわけでもないのに、装飾品まで借りるか(^◇^;)?
ジプシーの持ち物にしては品のいいドレスです(^^;)。
伯爵と取引をして、自分の身と引き換えに恋人を救おうというシーン。ヒロインらしいいい心がけです。
白と黒のストライプのドレスというのも花總さんには珍しい生地です。肩と肘の辺りに小さなちょうちん(^^;)の付いた長袖ドレス。肘の辺りには黒いリボンも付いています。肩のちょうちんは鳥かご袖だったと思います。
マンリーコの牢獄までどのくらいの距離があったか知りませんが、そこで毒をあおるのは時期尚早だったのではないでしょうかねぇ(^^;)。どうしてもマンリーコに会う前に毒を飲んでおく必要があったのなら、牢獄の鍵を開ける前とかの方がよかったのではないかと思うんですよ。いいじゃないですか、伯爵との結婚式とかの前に飲んでも…どうしてあのタイミングで飲まなければならなかったのか理解に苦しみます。しかもマンリーコに会って冷静でいられるわけもないのに。若いって思慮が浅いわ…。
レオノーラはオニキスか何かの大きな仕込み指輪の中に仕込んだ、出所も不明な毒(ジプシーとかが、「辱めを受けるくらいならこれで…」とか言ってくれたのかなぁ^^;;;;)をあおってマンリーコの腕の中で息絶えるわけです。相変わらず美しい倒れ方ですが、宙組発足以来、花總さんがラストシーンに出ないなんて初めてですね。私にとっては毛布より驚異的(^^;;;;
『カステル』とか、『ファントム』東京とか、緞帳が下りるときに本舞台にいなかったということはありますが…(^^;;;;
この芝居、終演約10分前に花總さんの出番は終わります。
この後、マンリーコの処刑へと場面は移るのですが、処刑台は大砲です(^^;)。一瞬、まさか宇宙に打ち上げる処刑か?「ネオ・ボヤージュだもんな(^^;)」と思ったのですが(^^;)、異端者としての処刑ですからちゃんと「火刑…火あぶりだ」。
ボロを着ていたマンリーコが処刑台の上、暗転の一瞬でこのボロを脱ぐのですが…今回の最後の観劇の時、脱げなかったみたいで、ボロのまま宗教画風ラストシーンとなりました。その後はどうなっているのでしょうか?
過度に期待したのはショーです。三木先生ですし、座談会なんか読むと珍しい花總さんが観れそうだわ!チケットもっと用意すればよかったわ(T_T)!!と楽しみにしていたプロローグ、そのセイレーンの衣装はなに……(--;)。
で、セイレーン。セットの像が動き出すような演出なので、その像に似せた色を使いたかったというのはしょうがない…と思うとしよう。でも、そこまで上半身をぴったり隠して、ボトムはこれでもか!というくらいたっぷり布(3種類くらい使っていたよね…)を使う必要はどこにあったのだろう……(T_T)。
ドレープの美しい薄物をまとったような衣装ではなぜいけなかったのかしら?私は大理石の彫像をイメージしていたので、ゴールド(しかもぎらぎらといろんなものがくっついた上半身)というのがとっても残念でした。
なんが頑張って誘惑している風なんだけど、下手くそなんだよねぇ…花總さんってこういうの(^^;)。もっと妖艶な感じにできないかしら…いい年なんだから(^^;;;;
男たちの総踊りの後、女たちが上手から現れます。先頭にいるのは珍しいお姿の花總さん。
パイナップルなアップの仕方も珍しいが、女海賊風なその衣装も珍しい。…あまり似合っているとは言いがたいのと、後半のノリの妙なところもどうかと…(^^;)。
…座談会では春の精とか書いてあったかな?ムンムンするような踊りというのはここだと思うのですが、そんな表情と踊りではそりゃ、目指すところは遥か遠いとしか言わざるを得ませんな。…まあ、稽古場で無理と悟って止めたのかもしれませんが。
再びセイレーン…らしい。そんな立て衿マントはきらいです。花總さんのショーはデコルテ出してなんぼ。腕出してなんぼ!脚出してなんぼじゃあ!!……(((((((((^^;)
たかこさんの『恋人』とか書いてあったと思います。下手花道からギャング(?)二人にエスコートされて、優雅に登場。落ち着いた黒のシンプルスーツに黒のツバ広帽子。黒の発色が大変美しいですね。胸元にゴールドの大ぶりのブローチ。琥珀とかかしら?ファショールなんか軽く羽織ってて、ここが一番好きな衣装です。こういうシンプルなものを着せると、お互いに(衣装と本人)相乗効果を出せるから、この方はすごいです。このシーンをタップとは切り離してもっとたっぷり見たかったなぁ。大人の恋っていうの?そういうのがこの二人には合うと思うのに。
バックの黄色いドレスの娘役さんたちも全員ロジャース (^^;)?花總さんは確実に『ロジャース』だけどきちんと役名の付いたこの人だけ髪型がなぜかアップ。花總さんのアップスタイルは本当に美しいので好きなのですが、ここはアップではないと思うのよ(--;)。
膝下丈の白いスリップドレス。スカートの裾にはファ付き。花總さんのタップは形が美しいんですよね。確か、タップの成績はよかったんだよね(^^;)?
大抵のことには免疫の付いた長年のファンですけど…こういう演出は体に悪いので、止めてくださいね(^^;)。いいえ、単純にたかこさんのお衣装換えの時間稼ぎなのですが、トップさんがセリ下がっているのに、大階段からスタンバイするっていうのは、普通あり得ないことでしょ(^^;)???ある時期の花組(今の雪組)なんかだと、デュエットダンスを途中で切り上げて、娘役は引っ込んだりしたのよ(^^;)。
白いスリップドレスですが、白から青へ裾濃ぼかしになっています。これも珍しいですね。花總さんのデュエットダンスのお衣装と言えば、基本は白。色ドレスでも無地。あるとしたら、地模様とかレースとかの生地重ね、身ごろに上品なビーズ刺繍が基本ですからね。一枚の生地で色が変わるというデザインは初めてです。
パレードです。任田先生のマーメイドドレス。…まあ、見慣れた感じ(^^;)。背負い羽が紫のグラデーションできれいです。
『ショー・ストッパー』も最初はどうなることかと思いましたが、徐々に楽しくなって、今や「いいショーだったよね」と語り合えるものになりました。もしかしたら、『ネオ・ボヤージュ』も徐々に見慣れて、慣れた頃には「楽しいじゃん」と言っているかも知れません(^^;)。
でも、タップの総踊りは香港の方がずっとおしゃれで楽しかったし、『ショー・ストッパー』の某シーンのように、何度も観たい!と思うようなシーンも今のところありません。ちかちゃんが抜けて、やはりダンスの点で当時と明らかに見劣りがします。たかこさんしか素敵に見えないダンスシーンというのは、ある意味、トップさんなんだからそれでいいのかも知れませんが、ことさらたかこさんのファンじゃない(もちろん好きですけどね)宝塚ファンとしては寂しいものです。コーラスは問題ないし、売りにできるんですが、ダンス力の弱さはどうにかしていただかないと。娘役も踊れる子はいますが、芯を努める人がいない。…娘役が踊れたってこの場合、あまり意味はないのですが(T_T)。ダンスリーダーの欠如は本当にやばいよぉ>宙組(T_T)(T_T)(T_T)。