[05.11.15]
初演は1991年。通年公演ではなかった頃、大劇場公演の中には東上しない月がありまして、これも東上しないものでした。ですから東京在住の普通の(^^;)宝塚ファンは観ていないでしょう。当時の月組ファンならともかく。でも、BSで放送されていますので、生では観ていなくても、映像では観ております。当時は今みたいになんでも市販にしてくれる商売っ気満々の宝塚ぢゃなかったのよ。
筋のきちんと通った、大好きな作品でしたが、当時(今も?)、正塚先生の作品というのは宝塚らしくないというのか、賛否両論なものでした。でも、今の某演出家先生の作品に比べればなんて宝塚らしいのでしょう(^◇^;)。
さて、再演。
主演が当時は歌の人。再演はダンスの人。…カナメちゃんの曲をコムちゃんが歌うのは辛いものがありましたねー(^^;)。最初の銀橋の歌なんて、違う曲に聞こえましたから(^^;;;;
私はことさら初演の誰かのものすごいファンというわけではなく、この作品のファンなので生で観れるというだけで嬉しかったのですが、これはちょっとお気の毒な感じでした。
コムちゃんのシルバはどこまでもシルバなように感じました。記憶を取り戻した時からミッシェル・ラブローの部分が大きくなるわけですから、その辺りの表現の対比が乏しく感じました。
コムちゃんの中ではずいぶん変わっているとは思うのですが、常々、コムちゃんのお芝居には情感が足りないと思っているので。シルバの孤独は十分なんですけどねー。
農家のシーン。背中に付いた血を洗っていただくのはいいとして…でも、今回レザージャケットなんだが……(^^;)。
ミレイユ。初演はディアンヌはカウント外として(^^;)トップお披露目としてのヨシコちゃん。研4ですか?再演のまーちゃんが研11ですか?そりゃあ、こういう役作りになってもしょうがない。初演よりずーーーっと大人でした。うん、大人でもいいと思うんです。お父さんを亡くした直後にジャンルイと結婚されたのでしょうから、人妻歴4年くらいですし。でも最初はもっと世間知らずなお嬢様の部分が前面に出た方がいいかな?と。ヨシコちゃんは農家でモーリス(大海ひろさんもきれいだったねー)に指示をする辺りから、ぐんぐん大人になっていって、世間の怖さとか色んなものを短時間で知っていく様子が伺えてその辺りの変化が面白かったんですけど。まーちゃんがやると最初からとてもしっかりと地に足の着いた感じがして、ミレイユの危うさと乖離しちゃう感じがあるんですよね。
プログラムのドレスは初演のレセプション会場のシーンのドレスです。
公演で着用のドレスは新調なのかなぁ?まーちゃんにとてもよく似合ったいいドレスです。暖色系があまり似合わないまーちゃんですが、青みの入ったピンクはお似合いですね。
しかし…旅立ちのドレスはいただけない。そのハワイアンキルトの模様のようなアップルグリーンのアップリケがイヤだ。初演のドレス大好きだったのに…。
この二人の旅立ち。男女の愛があるからくっついているんじゃなくて、深く傷ついた者同士が、どうしようもなくて寄り添っているという感じがとても伝わってきまして、救いのない幕切れをより印象付けましたね。……褒めているんですよ(^^;)。
この人がいるからより楽しみだった、ちかちゃんがレイ。
初演は美しかった…ひたすら美しかった…。初演当時、天海さんは研5の2番手さん。そりゃあ美しいでしょう。だからってわけじゃあないですけど、組織(ずいぶん小さいが^^;)を束ねているように見えるのは再演の方ですね(^^;)。
エンビは大変お似合いです。お芝居が始まってしばらくは黒エンビ姿のちかちゃんが堪能できます。レセプション会場のエンビは初演は背中に飾りの付いたもので当時はこういう飾り付きのエンビって珍しくて印象深かったのですが、今回はシンプルなものですね。そう…ちかちゃんのエンビ姿は大好きです。ですがラストシーンの青エンビは勘弁してください…(+_+)。確かに初演もラストシーンのお衣装はブルー系だった。でもフロックコートだったはず。生地としてもそんなビカビカしたブルーじゃなかったわ。プログラムでちかちゃんが着ているのがそれです。鱗紋のベストもイヤだ…。夜叉に見えるじゃないか。
でも、私はジャンルイのちかちゃんが観たかったんですよねぇ…。屈折したミレイユへの愛情を持て余す野心家の黒幕。…ランブルーズ侯爵が途中役替わりだったこともあって、そういう役のちかちゃんがもう一度観たい。
……シルバとミレイユのタッグに敗れ、横たわるレイ…。舞台だから板の上に臥床しては客に見えん。だから初演はセットに背もたれした…しかし全ツはセットが低いのかそういうわけにはいかない…。だからってミレイユの旅行バックに寝かせたまま、手ぶらでどっか行かすってのはどうなんだ……。守るまでもなくすぐに朽ち果てるぞ………(^^;)。
ついでに言えば、凄腕のガンウーマン・ミレイユは震えながらもレイの左胸を見事命中させた模様。…だってシルバは左胸を抑えている…弾は貫通……。
……それってレイってば即死なのでは……。
で、ちかちゃんで観たかったジャンルイが音月くん。初演当時、久世さんは中卒の研9……。
いや〜〜ものっすごく芸達者な方でしたねー今思えば(^^;)。中卒ごときの人生経験で演じきれる役じゃないですよ。音月くんの達者さなんて目じゃなかったのですねぇ(^^;)。ただただそう思ったのでした。
初演主要メンバーは再演メンバーよりずっと若いんですね。カナメちゃんだって久世さんたちの2年上ってことは研11。コムちゃんが研15(・・;)?ちかちゃんで研13?じゃあたかこさんていくつ(^^;)??
しかし…今の主演メンバーは宙に限らず(^^;)どこも相当年寄りってこと???やばくない?>宝塚
雪組の楽しみのひとつはきれいな若手(^^;)、鳳稀かなめちゃん。どこまでもボケたトランティニアンでした。「任せろ」と遺体の埋葬を請け負われてもいまいち信用できん(^^;)。そんなんで大丈夫か?パリ市警(^^;;;;
ついでにこの公演2番手娘役の山科さん。マリアンヌなんて役あったか?と思ったら、被害者の娘ですか(^^;)。確かにいたわ。どこまでも子役だわねぇ…。娼館で働かせるにはやっぱ小さすぎましたか(^^;)。初演のおねーさんたちは皆さん(シモーヌ以外は^^;)大きくておきれいでしたっけねぇ…。
ひたすら過ぎ去った昔に思いを馳せるオールドファンな観劇でした。