[06.2.20]
オスカル編には宮廷シーンがありません。つまりお衣装ウォッチャーとしては面白みにかける公演ということです。私には男の衣装などに何の興味も持てませんし(^^;)、華麗でないドレスにも興味がございません。
華麗なお衣装が大好きな私ですが、ロザリーのドレスが膨らんでいるのはやっぱりちょっとおかしいですよね……。
ロザリーのお衣装は登場から新調です。王妃さまとは違いますから、清潔な感じのドレスばかりで華麗さにももちろん欠けますから、もうひとつつまらないんですよねぇ…。
プロローグは91年オスカル編と同じ演出。ですから、本編が始まってもいないのにパレードがあります。パレードのドレスはピンクです。今回、まーちゃんには珍しくピンクのお衣装を2点も着ますが、どちらもお似合いでした(^^)。バスティーユは思いっきり有モノでしたけど。まあ、庶民の衣装を今さら新調したってしょうがないでしょうけど、その衣装、いったい何年前から使っているのかしらね(--;)。
…ショーゲキ(^^;)の大きな作品だったってこともあって、私としたことがロザリーのお衣装の細部をほとんど覚えておりません(^^;)。全部で5点(フィナーレは省く)、そのうち新調が4点あったことだけは確かです(^^;)。ピンク⇒オレンジ⇒ペールグリーン⇒ピンクです。オレンジが一番小間使い(ベルナールがそう言うんだもん)らしいドレスでしたね。
91年オスカル編でヒロインだったのはなぜかディアンヌ。ヨシコちゃんキュートでしたね。その時のお衣装をこんなに年数経った今、そのまんま着せるとは…(+_+)。その公演ってあの花總まりさんが初舞台を踏んだ公演なんですよ………。宝塚の物持ちのよさには本当に頭が下がりますわ。
…自殺するはずのディアンヌがこのバージョンではバスティーユで元気に踊っています…(+_+)。
とはいえ、雪組バーションのオスカル編の売りはこんなもんじゃありません。
2つの妄想シーンですよね(^◇^;)!
4人の偽オスカルとホンモノのオスカルに翻弄され、地べたに這いつくばるロザリー……。
…ロザリーってそんなことを考えているのですか(・・;)????
通常のオスカルとアンドレ編(アンドレとオスカル編でも可)の場合、ここはオスカルの軍服を抱きしめてロザリーが叶うはずのない初恋を歌い上げるシーンですわ。曲は「心の人オスカル」と決まっているのよっ!
なのに、変な新曲なんか作った上、変なシーンをデッチ上げ、妙におんな臭い妄想シーンに書き上げたのはどこの誰?それってリリカルな乙女の恋心とは対極にあるシーンじゃない?だって、ロザリーはオスカルに何か(何かって^^;)して欲しいんじゃないでしょ?そりゃ確かにポリニャック家へ引き取られる云々の辺りで告白めいたことしてますけどね。そんなに大仰に地べたに突っ伏したりしなくたっていいと思うのよ(原作でも一瞬座り込んではいたっけか^^;)。あんな風にあしらわれたからベルナールと結婚するの?違うでしょ??ちゃんと惹かれあうものがあったんでしょ?オスカルにラブシーン覗かれてたじゃない(^◇^;)!
その後、こんな妄想するロザリーもシャトレ夫人となって久しい7/12、パリから独りでドレスをひとつも汚さずにジャルジェ家までたどり着き、オスカルの部屋の陰に潜んだりしているんですね。…7/12…つまり今宵一夜直前。…オスカルがもしとっても鈍感で気配に気付かなかったら、その後の展開をどうするつもりだったのかしら>ロザリー
まったく。誰がこんな脚本と演出を考えたものか……(−。−;)。
さて、揺れるカーテンの気配に敏感に気付くオスカルですが、ロザリーの妄想シーン前では朴念仁ぶりを露呈しています。
「ベルナールが求婚しにきたよ。いい男だと思うけど、どうする?あれ?急な話しで驚かせちゃったかな?」なぁ〜んてこと言うんですよ?オスカルをこんな風に描いて、よくも池田先生が怒らないものだ。
このワンシーンだけでこの作品におけるオスカル像がどうにも好きになれない私です。
オスカルを庇って左目を負傷し、バスティーユ前夜にはすでにほぼ全盲のアンドレ。出来上がってきたオスカルの肖像を見ることは叶いません。そこでアンドレが妄想した肖像画はきっちり、画家のムッシュウ(名前がないんだよね^^;)が描いてきた白馬にまたがる少年・オスカルのあの絵。
…見えてないんですよね???この時点でろうそくの灯しか見えないんですよっ!!!
…それにしても、アンドレ。愛する人の肖像画を妄想(いやいや、想像ね^^;)しようなんて時に、どうして少年のオスカルを想像するかなぁ…(ある意味やばいのではないかしら^^;)。あんたの貧困…いや、ある意味逞しい想像力のせいでコムちゃんはあんなペガサスに乗るはめになったのよぉ!!
それだったら、まだ、カナメさんのドレス(ドレス自体はいけてなかったけど)姿の方が健全(^^;)な気がするわ…。
しかもそのペガサスの装置がすごくてですね(2階からだと操作の様子まで見えるそうですけど^^;)。付けまつげでもつけたかのようなつぶらな瞳のちょっと小ぶりなペガサスが客席上を上下左右に浮遊(^^;)する様をタオルを噛み締めて耐えた私でした(^^;;;;
『ベルばら』を1回でいいから観てみたいと切望する一般人の皆さまにこれをお勧めしてもよいものか…悩むところでございます。
そして、私にとっての最大の問題はこのシーンが全ツでもこのままかどうかってこと。赤いブーツと青いブーツが復活しても構わないから(^^;)全ツはオスカルとアンドレ編やりませんか……?
私、コムちゃんのオスカルは星組でも観ておりませんのでこれがまったくの初見です。
オスカルの描かれようが私自身まったく気に入らないので、コムちゃんがどうのという以前にどうも納得いきませんね。本来『ベルサイユのばら』というお話しはマリーアントワネットありきのはずなのに、王妃さまもフェルゼンも蚊帳の外なんていうこと自体がおかしい。王妃さまがなければ、オスカルの存在意義だってないじゃないですか。貴族に生まれながら革命に身を投じるオスカルのバックグランドがとっても薄いんですよね。そしてまた、コムちゃんは割りとこの辺りの表現が淡白なんです。描かれていることは忠実に演じていると思んですけどね。もちろん、まだ始まったばかりですから、これから多少は表現が変わって行くこともあるんでしょうけど。
絵的に美しいし、ガラスの馬車のシーンだって本当に夢のよう。まあ、宝塚が美しさだけを追求するっていうなら、変な妄想も、バックグランドの薄っぺらさも気にしないんでしょうし、ペガサスだってご愛嬌なんでしょうけどね。
私にとっての雪組初見のアンドレはかしげちゃんでした。
「ご覧なさい」の後は「心の白薔薇」で始まる、オスカル編。91年当時、大劇場はBSで観ました。生は東京公演だけなんですけど、東京公演の天海さんってとってもきれいでねー(#^^#)。踊りと歌はともかく(^^;)、あの美しさは圧倒的でしたねー(#^^#)。もちろん、かしげちゃんもきれいですよ。白い軍服は美人さんが着ると本当にきれいです。ガラスの馬車の映りもいいですね。
アンドレとしても、どうも動きたくてたまらなかった2001の誰かさんと違って(^^;)、落ち着いた感じがいいですね。アンドレは「不思議なくらいおとなしくて、控えめで、はじけない」人ですから、私的にこういうアンドレは好みです。しかもきれい。歌も耳障りが悪くないですしね。とりあえず、言うことございません(^^;;;;
で、ちかちゃんがアラン。…適役でしょう(^^;)。しかも衛兵隊の実用的な紺色の軍服がまたよくお似合いで。オスカルの赤い軍服姿もよろしゅうございますが、これが一番だわ(^^;)。
91年オスカル編より、ディアンヌが死なない分、役のウエイトは落ちています。普通のアラン。ちかちゃんがやるんなら、オスカルの唇強奪事件とかあるのかな?と下世話なことを考えていたのですが、全然、普通のオスカル編のアランでした。
ただね、アランはオスカルより年下なのよねぇ…。実際コムちゃんより年下のちかちゃんですけど、どーもそうは見えないのよね…(^^;)。
荒くれ班長に浸りきった後にアンドレやるわけなのでちょっと心配。2001当時のように落ち着きのないアンドレは勘弁してくださいね(^^;)。
バスティーユはオスカルの時より明らかに踊りやすそうで、遥かにきれいに踊っています(^^;)。
いくら新場面と新曲があるからといって、ロザリーが脇役なのは明白なこと。そこにトップさんを当てるのがそもそも無理があるわけです。これからというトップさんでもないですし。だからこその新曲&新場面(…妄想シーンに過ぎないけど)なんでしょうけどねぇ。はっきり言って失敗だし、流れをぶった切り、原作をめちゃくちゃにしているのは明らかです(原作をないがしろにしているのは今に始まったことではありませんが)。だからといってアントワネット役者じゃないので、2001のようにオスカルとアンドレ編というわけにもいかなかったんでしょうねぇ。お気の毒…。
もっと脇役なのはディアンヌです。ですから91年にあったソロは消えています(^^;)。ヨシコちゃん、ヘタクソ(^^;)だったけどとっても可愛かったのに……。ま、その分、バスティーユで踊るんですけどね(^^;;;;
この人が意外によかった!とかいうサプライズもなく、…いや、違った意味でのサプライズはあったけど、星組に比べたら素人さんにはお勧めしがたいものであるのですが、客席はいっぱいです。東京友会も思うように当りませんでした(^^;)。
さすが『ベルばら』。