[06.3.10]
でもね、管理人。ロザリーにあんな煩悩を抱かせたのはオスカルのせいなのよ(^_^;)。
いちいち対応の仕方に問題があると思うのね。原作を読み返してみると。
オスカルとロザリーの出会いはロザリー12才の時(これはオスカル自身がディアンヌに語ってますので、間違いございません)。
パリ市街ですれ違ったミラボー伯に「一晩わしの屋敷に来ぬか?金はたっぷりはずむぞ」と言われ、少女売春という荒業に思い至ったロザリーが通りがかったオスカルに身を売ろうとした時です。
この時のオスカルの返事。「おいおいよく見るがいい。これでも私は女だ。たとえただでもお前を買うことは出来んよ」と言って、1リーブル金貨をロザリーに施します。何もしなかったとは言え、それって買ったことなのではないですか?
…まあ、でもいい。ここは、女だと自覚してる人間として、たぶん正しい行動でしょう…ね?
この直後、ロザリーはポリニャック伯爵夫人に母親を殺されて、単身復讐の旅に出ますが、間違ってジャルジェ夫人に斬りかかったことがきっかけでジェルジェ家に引き取られます。売春未遂事件からさほど経っていないでしょうからこの時、ロザリーまだ12才。
引き取られたロザリーはオスカルに剣の手ほどきを受けます。ある日の稽古中、勢い余って池に落ちたロザリー。ですが、そこは市井育ちの娘、一人ではい上がってきたのに、なぜかオスカルはロザリーをお姫さま抱っこ。しかもあろうことか「誤解だ。からかっているなどと…」なぁ〜〜んてじっとみつめる始末。12〜3才の小娘がこの時、道ならぬ想いに目覚めちゃったとしてもそれは責められないことではないですか?
あんたのせいよ>オスカル
そんなことするから、結婚が決まった絶望のシャルロットがオスカルさまの左手に頬ずりする姿を見て、軽い嫉妬なんかも覚えちゃったりするんですね。…この時ロザリー14才くらいですか?
…私は14才の時、嫉妬なんて感情知りませんでしたけどねぇ。さすがはアムールの国、フランスの小娘。
ロザリーの実母がポリニャック伯爵夫人と判明後、ポリニャック伯爵夫人はロザリーを引き取ろうとします。そんなこんなのドサクサ紛れのロザリーの告白。「どうかどうかいつまでもおそばにおいて下さい。私…オスカル様が」するとオスカル、さっきまでロザリーを膝に抱いていたくせにすっくと立ち上がり、振り向きざまに言います。「お前のことは妹とも家族とも思っている(中略)だが忘れるな、私は女だ」
…だったら、あまり思わせぶりな態度はよくないと思うのよ。
なんだか面倒なことになるとふいに自分が女であることに気づきますね。それともまずい展開になったら、女を言い訳にするのか?>オスカル
連載中の扉絵の中にはオスカルがロザリーの顎に手をかけているモノすらございます。…扉絵には何の罪もございませんけどね(^_^;)。
シャルロット死後、久しぶりに開催された王妃さま主催の舞踏会。そこで踊るオスカルとアントワネットをまぶしく見上げたロザリーのせりふ「オスカル様は王妃さまのことしか考えていらっしゃらない。あきらめなくちゃいけないのに…」
…王妃さまのことしか考えてないから諦めなくちゃならないのか?>ロザリー
もはや論理の展開まで正常なものではなくなっておりますな(^_^;)。
アメリカ独立戦争終結の1783年。帰らぬフェルゼンを心配するあまり、気持ちの持って行き場のないオスカルは酒場で大暴れして、朝帰りします。
そのオスカルを待って徹夜したロザリーを胸に抱いてオスカルは言います。
「もし私がほんとうの男だったら間違いなくお前を妻にするよ」
……だからそういう態度はおよしなさい!!それとも小さいころずっと本当の男だと思っていた女性としては正しい対応の仕方なのか(・・)???
ポリニャック家に行くことになったロザリーへのはなむけのキスもやたら大仰ですわよね。ほっぺへのキスにしちゃあ……。
そして後年、ベルナールとパリに向かうロザリーを抱擁するオスカル。その二人を見て、ベルナールは「きみが男だったら間違いなく決闘を申し込むところだ」と言うくらいですから、いいムードだったんでしょうねぇ。
女だと自覚している人がそんな雰囲気作りながら抱きしめるものですか…?
だいたいがこのオスカル。女だと言いながら、このようにロザリーに対する態度だけでも罪作り。ですが、それだけではございません。作中でそのプレイボーイぶりをいかんなく発揮しているのが、オスカル婿選びの大舞踏会。
対マドモアゼル・ド・ギーヌ「さあ、そんなにかたくならないで、かわいい人」…なんですって?
対すみれ色の瞳の無名のマドモアゼル「震えていますね。秋の風はその肩には冷たすぎる」…ええっ??
よくもまあ、自分は女だとか言いながらのうのうとこんなせりふを言ってのけるものです。……呆れてしまうわ。
プレイボーイぶりは続きます。
対ジョゼフィーヌ嬢「私の姉と同じ名だ。美しいジョゼフィーヌ」…このくらいならまだいいだろう。
対フローラ嬢「花の女神の蜜を少しくださいますか?」……キスまでしちゃいますか??
ジョヌビエープ・ド・コワニー嬢に対しては、彼氏(?)と踊っているところを横から割って入り
「このさくらんぼを盗んでも罪にはならないだろうか?」
と言ってキス未遂。
……最低です…。
所詮、オスカルもフランス人。そのオスカルと10年以上も共に暮らしたロザリーもフランス人。清廉潔白なわけないのですよ。